研究課題/領域番号 |
23K22282
|
補助金の研究課題番号 |
22H01011 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
古賀 信吉 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (30240873)
|
研究分担者 |
谷田 親彦 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (20374811)
北臺 如法 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 講師 (30511563)
松浦 拓也 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (40379863)
梅田 貴士 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (40451679)
山崎 博史 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 名誉教授 (70294494)
富川 光 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (70452597)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
|
キーワード | 科学教育 / 探究学習 / 教材開発 / 教育実践 / 科学的論理性 |
研究開始時の研究の概要 |
情報化社会においては,入手した科学情報を科学的知識をもとに読み解き,その信頼性を評価して有効な活用を図ることが望まれる。中等科学教育においては,次世代社会の知的基盤の構築を目指して,探究的な学習の導入により知識の統合化・構造化を図るとともに,科学的探究の過程で創出される学習場面を活用して,思考力・判断力やコミュニケーション能力の育成を図る取り組みがなされてきた。本研究では,探究的な学習により創出される多様な学習場面において体験する科学的思考パターンを抽出・分類し,科学的思考を論理的・客観的に認識し,その科学的論理性を評価する能力の育成を目指した教材開発および教育実践的研究に取り組む。
|
研究実績の概要 |
初年度(2022)の重点研究項目として(1) 「科学教育における位置づけ」と(2) 「学習素材の発掘と教材化」を設定して研究推進した。また,(1)と(2)の成果を受け,(3) 「学習プログラムの開発」についての研究を開始した。さらに,(4)「教育実践的研究」の準備段階として,授業開発を行った。 (1) 科学教育の史的変遷との関連付け及び国内外での教育開発研究の動向調査を通じて,科学的論理性とその評価能力の育成を志向する次世代の中等科学教育への変遷の必要性について,その理論的根拠を議論した。 (2) 「物質・エネルギー科学」,「生命科学」,および「自然環境・防災科学」の枠組みで,素材発掘のための基礎的研究を行い,科学の論理についての学習を取り入れた探究的な学習のための素材を探査した。また,発掘した素材を学習素材として用いる際に必要となる基礎的データや資料を収集し,それぞれの素材の教材化を行った。また,発掘した学習素材に,数理・アルゴリズムに関する学習内容を付加する可能性について検討を加えた。さらに,データサイエンスを用いた帰納的予測やシミュレーションの学習素材を探査・発掘にも取り組み,探究的な学習活動に取り入れるための教材化の可能性を検討した。 (3) 発掘した個々の学習素材および開発した教材を,中等科学教育における学習内容の系統性と順序性の観点から精査し,学習段階の適時性を明らかにした。また,個々の学習素材にかかわる事物・現象を探究する知的活動を科学の論理の観点から評価し,その論理的構造及び展開の特徴を明らかにした。これらの基礎的情報をもとにして,科学的論理性とその評価能力を育成するための探究的な活動を取り入れた学習プログラムの開発を行った。 (4) 既存の教材及び(1)~(3)の成果を活用して学校現場における教育実践的研究と支援活動を展開するための準備を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に重点項目とした研究項目(1) 「科学教育における位置づけ」と(2) 「学習素材の発掘と教材化」については,当初の予定に照らして極めて順調に進展している。これにより,研究項目(3)「学習ププログラムの開発」に豊富な素材を提供できている。一方で,(4) 「教育実践的研究」は,新型コロナ感染症対策のため小・中・高等学校における教育実践の機会が限定的であったため, 2023年度における実施に向けての準備にとどまった。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度に重点研究項目とした(1)「科学教育における位置づけ」についての研究成果を基盤として,2023年度は(2)「学習素材の発掘と教材化」に継続的に取り組み,(3)「学習プログラムの開発」への素材・教材の提供を充実させる。また,(2)及び(3)の研究成果を実践的及び実証的に検証する目的で(4)「教育実践的研究」に取り組むとともに,2023年度下期より(5)「カリキュラム開発研究」を開始する。 (2) a) 物質・エネルギー科学,b) 生命科学及びb) 自然環境・防災科学の枠組みで,実験観察や野外調査などの科学的手法により素材発掘のための基礎的研究を継続的に推進 し,探究的な学習のための素材を探査・発掘とそれぞれの素材の教材化を行う。 (3) (2)で発掘した個々の学習素材および開発した教材を活用して,中等科学教育における探究的な活動を取り入れた学習プログラムを開発する。また,開発した学習プログラムを④「教育実践的研究」に供するための準備を行う。 (4) (3)で開発した学習プログラムを,中等科学教育及び大学基礎科学教育において試行的授業に供し,教育実践的研究を通じてその妥当性と実用性を実証的・実践的に検証する。さらに,試行授業の結果をもとに,科学の論理を体験的に学習させる観点から開発した学習プログラムを評価し,研究項目(2)~(4)にフィードバックしてさらなる改良を目指す。 (5) 科学と科学の論理の学習を表裏とする中等科学教育のカリキュラムモデルの試案作成を最終的な目的としたうえで,現行の中等科学教育カリキュラムに照らして(3)で開発したそれぞれの学習プログラムにおける学習内容の適合性・発展性を評価する。
|