研究課題/領域番号 |
23K22300
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補助金の研究課題番号 |
22H01029 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
関 あゆみ 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (10304221)
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研究分担者 |
岩田 みちる 東海大学, 国際文化学部, 特任講師 (50738151)
内山 仁志 島根県立大学, 人間文化学部, 准教授 (60348604)
中井 悠加 島根県立大学, 人間文化学部, 准教授 (40710736)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2025年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 限局性学習症 / 発達性ディスレクシア / 文章読解 / 眼球運動計測 / 縦断研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は「読んでいるものの意味を理解する力」という観点から、読みに困難のある限局性学習症の児童への支援を検討することである。本研究では眼球運動計測を用い、文を読んでいる時の理解の程度を評価する。その上で、文字や単語の読み能力とその後の文章読解力との関連をみる縦断研究と、文章の読みに困難のある子どもを対象とする個別評価・介入研究を組み合わせ、文章読解に関わる諸要因とその相互関係を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は1)小学校を対象とする集団評価、2)1から同定された読解困難群の個別評価、3)読み困難児を対象とする介入研究(ケースシリーズ研究)、4)眼球運動計測を用いた読解能力の評価方法の検討の4つの研究からなる。 研究1)2)については、新型コロナウイルス感染の持続により学校調査が困難であったため、実施できなかった。このため、今年度は今後の調査の基盤となる小学1年時の既存データを用いた分析を行なった。匿名化した既存データの二次利用について2校から協力を得ることができ分析を開始しているが、データ提供に対する同意が得られない学校・教育委員会があり対応を検討中である。 研究3)については、北海道、島根県の両フィールドにおいて、音読能力および読解に関する介入研究を行っている。指導前後の読解能力の改善効果について、既存の読解課題では的確に掴むことができなかった。この理由として、読解課題成績には課題文の理解だけでなく、問題文の質的な差異が関わることが考えられた。指導前後での評価指標を再検討した上で、事例を蓄積していく必要がある。島根県のフィールドでは読みと動体視力や眼球運動、判断力の関係を調査する目的でその訓練機器であるスープリュームビジョンを設置した。今年度はセットアップに時間を要したためデータ取得はできなかったが、2023年度よりこの機器を用いて評価と訓練的指導を実施する。 研究4)については、大学生を対象として文章読解時の眼球運動計測を行った。現在、読解能力の指標となる眼球運動指標について、検討を行っている。 また、英国にて文章読解能力に関して縦断研究および介入研究を行っている研究者(Margaret Snowling, Charles Hulme)を訪問して意見交換を行ない、2023年度に2人を招聘し国際シンポジウム(研究会)を行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルスの感染の状況が見通せなかったため、2022年度は集団調査(小学校での調査)が行えなかった。また、既存データの分析についても、匿名化した既存データの提供に同意が得られない小学校・教育委員会があり、十分なデータ数が得られていない。さらに、介入研究を通し、既存の読解課題の問題点が明らかとなったことから、個別評価に用いる課題について再検討が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
当初より、感染状況により2022年度に小学校での調査が行えなかった場合には、2023年から2025年の3年間で行うこととしていた。このため、2023年度より集団調査を開始する予定で準備を進める。 2023年9月に、英国より研究者(Margaret Snowling, Charles Hulme)を招聘して国際シンポジウム(研究会)を行う。ここでの議論を踏まえて、集団調査に用いる指標の選定を行い、2023年度後半から集団調査(研究1)を行う予定である。研究2は研究1の結果を踏まえて行うため、2024年度以降の実施となる。 介入研究における評価指標に関しては、問題文を含めて既存課題を精査し、用いる課題を決定する。
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