研究課題/領域番号 |
23K22302
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補助金の研究課題番号 |
22H01031 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
米田 宏樹 筑波大学, 人間系, 教授 (50292462)
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研究分担者 |
井田 仁康 筑波大学, 人間系(名誉教授), 名誉教授 (20203086)
岡澤 慎一 宇都宮大学, 共同教育学部, 教授 (20431695)
Tastanbekova Kua 筑波大学, 人間系, 准教授 (30726021)
本間 貴子 国士舘大学, 文学部, 准教授 (30845508)
岡崎 慎治 筑波大学, 人間系, 准教授 (40334023)
菊地 かおり 筑波大学, 人間系, 助教 (40616843)
細川 かおり 千葉大学, 教育学部, 教授 (50259199)
三盃 亜美 筑波大学, 人間系, 助教 (60730281)
雷坂 浩之 筑波大学, 附属学校, 教授 (60839017)
澤田 浩子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (70379022)
区 潔萍 関西外国語大学, 外国語学部, 助教 (80963123)
小林 秀之 筑波大学, 人間系, 准教授 (90294496)
左藤 敦子 筑波大学, 人間系, 准教授 (90503699)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2025年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | インテンシブ・ニーズ / インクルーシブ教育システム / 特別な教育的ニーズ / 特別支援教育 / 日本語支援 |
研究開始時の研究の概要 |
合理的配慮やユニバーサルデザインではカバーしきれない特別な教育的ニーズを「インテンシブ・ニーズ」ととらえ,そのニーズに対する支援を「データに基づく個人化」を通して実現するモデルの提案をめざす。 単一障害,重複障害,さらに日本語支援・文化的多様性等の障害以外の特別な教育的ニーズのある児童生徒の「インテンシブ・ニーズ」とそれへの支援モデルを,情報処理プロセスと教育システムの2つの観点から,文献研究,事例研究,実験研究,調査研究の手法を用いて整理考察する。
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研究実績の概要 |
特別な教育的インテンシブ・ニーズ(SEIN)の概念とそのニーズへの対応方法を明らかにするための予備的検討を行った。 (1)SEINの概念の整理:30編の学術論文のレビューから、SEINとは、精神的健康、感情的幸福、身体的能力、知的能力等の要因の組み合わせから生じる深刻な課題を経験する個人のニーズを指すこと、この個人の複雑なニーズは、専門的なスキルを持つ複数の専門家からの支援が必要となるものであることが明らかとなった。また、SEINを有する児童生徒は、インクルーシブ教育(IE)の政策目標が採用されているにもかかわらず、特別学校や通常の学校内の特別クラスで教育を受けている現状もうかがえた。真のIEとは、SEINの生徒が、国際基準に従って、SEIN以外の生徒と一緒に通常のクラスで80%以上の指導を受けることであるとの主張がある一方、ワントラック型のIEは、障害のある子どもたちのSEINが満たされていなければ有効とは言えず、多くの国では、このモデルの実施に苦労しているとの指摘も見られた。母語と主要言語との関係から生じるSEINに関連して、ロシア国内外におけるロシア語を母語としない集団に対するロシア言語教育政策の方針を整理した。さらに、中央アジア諸国における国家語教育とロシア語教育の強化が少数民族の母語教育に与える影響についての情報収集を行った。 (2)教育的支援方法・評価方法の整理:SEINのある児童生徒への支援と評価に関して以下の4点の情報収集を行った。①知的障害のある児童生徒の授業と評価。②日本語が母語ではない児童生徒の母語の読み書き能力に関連する認知能力の評価と日本語支援の実践上の課題。③発達障害の感覚の感受特異性やプランニング、自己制御等のニーズ強度や適度に個人差が大きい事象の評価。④重症心身障害者との視線入力装置を活用した学習活動・コミュニケーションにおける共同性の諸相。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特別な教育的インテンシブ・ニーズの概念・議論に関するレビューができたことと、各分担者がそれぞれの担当領域についての文献研究や予備調査を実施し、次年度以降の研究の進展に資する準備を進めることができたことから、初年度としては順調な経過であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
特別支援教育、教科教育、多文化教育、日本語教育等の研究者による研究組織であることから、各分野・領域の特別な教育的インテンシブ・ニーズの捉え方と実際的対応を共有し対照することで、概念の共通化を図る必要がある。個々の研究成果を出し合い討論するオンライン・ミニ学習会を積極的に実施し、3年目以降には学会等でのワークショップやシンポジウム開催の形で広く議論をするようにしていく。
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