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オンラインで語用能力を評価する「ことばのつかいかたテスト」標準化と実施サイト構築

研究課題

研究課題/領域番号 23K22303
補助金の研究課題番号 22H01032 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分09060:特別支援教育関連
研究機関金沢大学

研究代表者

大井 学  金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 協力研究員 (70116911)

研究分担者 槻舘 尚武  山梨英和大学, 人間文化学部, 准教授 (80512475)
水谷 柳子  金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 博士研究員 (90963588)
橘 雅弥  大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 准教授 (10722952)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
キーワード語用能力 / 検査 / 標準化 / オンライン検査
研究開始時の研究の概要

比喩・皮肉・間接依頼の理解や、丁寧さの使い分け、会話の話題の維持等ことばの対人的使用スキルは文法・音声・語彙とは相対的に独立した能力(語用能力)である。この障害は当事者と周囲との軋轢につながることがあり、社会適応に及ぼす影響は時として深刻である。その予防・当事者との円滑なコミュニケーション促進にとって、語用能力の科学的評価が重要である。国際的にも語用能力の検査は開発が遅れている中、ICTを生かしたオンラインで実施可能な「ことばのつかい方テスト」の開発は、語用能力の発達と障害の研究にインパクトを与えるとともに、広くコミュニケーションの障害のある個人の臨床的な評価と支援につながると期待される。

研究実績の概要

TOPJCの標準化のために、月齢を説明変数とし、語用能力が年齢とともに発達することを適切に表す回帰モデルを探索的に検討した。交差検証で複数のモデルを比較した結果、標準化のためのモデル選択として、より単純な、2次の多項式回帰モデルと変数変換データに対する線形回帰モデルを候補とした。異常検出による外れ値の考慮と外的基準による妥当性の評価による最終的なモデル選択の準備が整った。正答率の推移パタンの類似度計算により「比喩」と「丁寧」、「皮肉」と「間接依頼」、「その他」の3つのクラスタを得た。「皮肉」と「間接依頼」でのクラスタ形成は15歳時点での正答率が直近の年齢より下がるという特徴を捉えた。この点については、発達にともなって特定の設問の解釈が難しくなる可能性が浮上した。性差については、各指標において6歳から10歳のいずれかの時期で女児が男児の正答率を上回ることが目立ったが、「間接依頼」では年齢を経る過程で男女差は交互に逆転する推移を示し,一貫した傾向はなかった。自閉スペクトラム症のサンプルは前年度より若干積み増しすることができた。最終目標の200名には至っていないが統計処理に十分耐えるサイズとなった。難聴児対象のデータ収集は発現率の低さもあり、その積み増しがゆっくりで、まだ統計処理に適したサンプルサイズに到達していない。台湾版(TOPTC)の作成を完了し、台湾の共同研究者と協力して標準化サンプル約750名のデータを得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究全体はおおむね順調に推移しているが、本体のTOPJCの粗点ー評価点換算表の作成が年度内に完了できなかった。これは、研究の性質上、データの特徴を最大限適切に表現できる回帰モデル候補をいくつか探索施行したためである。この作業は検査としての信頼性・妥当性を最大限に担保する大前提であり、やむを得ないものである。なお、これにともなって、評価点ベースのデータ処理に基づく研究報告・論文作成が一定程度遅れており、今年度にそれを取り戻す努力が求められるところである。

今後の研究の推進方策

TOPJC標準化の根幹である粗点ー評価点換算式の最終確定を可能な限り早急に行い、一定の遅れを取り戻すために、オンラインに加えて研究代表者と分担者3名の対面協議を早い時期に開催し、研究実施の詳細をつめる。そこではあわせて、評価点に基づくカットオフ算出、感度と特異度の特定、性差と検査課題差、日本版子どものコミュニケーションチェックリストCCC-2とのバッテリーのもつ自閉スペクトラム症の判別性能の検証計画を確定する。台湾版の標準化と粗点-評価点監査式確定、それに基づく語用能力発達の日台比較研究の計画と実施のために、オンラインのみならず台湾の共同研究者を交えた対面協議を二回程度開催する。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] 国立台東大学(その他の国・地域   台湾)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [国際共同研究] 国立台東大学(その他の国・地域   台湾)

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [雑誌論文] 思春期・青年期 における語用能力の発達:ことばのつかいかたテストによる自閉スペクトラム症児者と定型発達児者の比較2023

    • 著者名/発表者名
      水谷柳子、大井 学、福田純子、平谷美智夫
    • 雑誌名

      コミュニケーション障害学

      巻: 40

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Are there sex differences in the development of pragmatic language ability in children with ASD?2024

    • 著者名/発表者名
      Ryuko Mizutani, Masaya Tachibana, Mariko Nakanishi, Kuriko Kagitani-Shimono,Ikuko Mohri
    • 学会等名
      Meeting on Language in Autism (MoLA)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 「ことばのつかいかたテスト」(TOPJC)による 語用能力の横断的検討2023

    • 著者名/発表者名
      槻舘尚武・水谷柳子・大井学
    • 学会等名
      第49回日本コミュニケーション障害学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 自閉スペクトラム症児・者における語用能力の長期発達:幼児期から成人期までの成長曲線2023

    • 著者名/発表者名
      大井学・水谷柳子・池田尊司・槻館尚武・田中早苗・長谷川千秋・吉村優子・平谷美智夫・福田純子・菊知充
    • 学会等名
      第49回日本コミュニケーション障害学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] The development of pragmatic ability from early childhood to adulthood in individuals with and without autism spectrum disorder2022

    • 著者名/発表者名
      Oi,M.,Mizutani,R.,Ikeda,T.,Tsukidate,N.,Tanaka,S.,Hasegawa,C.,Yoshimura,Y.,Hiratani,M.,Fukuda,J.,&Kikuchi,M.
    • 学会等名
      Autism Europe 2022
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 思春期・青年期における ASD 児・者の語用能力の発達: ことばのつかいかたテストによる検証2022

    • 著者名/発表者名
      水谷柳子、大井 学、福田純子、平谷美智夫
    • 学会等名
      コミュニケーション障害学会第48回学術講演会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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