研究課題/領域番号 |
23K22322
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補助金の研究課題番号 |
22H01051 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
二瓶 裕之 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (70433422)
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研究分担者 |
豊下 祥史 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (20399900)
山口 由基 北海道医療大学, 薬学部, 助教 (20405666)
門 貴司 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (20632540)
吉田 晋 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 教授 (30555909)
鈴木 一郎 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (40294714)
浜田 淳一 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (50192703)
小林 道也 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (60337029)
高橋 祐司 北海道医療大学, 医療技術学部, 講師 (60804292)
入江 一元 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (70223352)
西牧 可織 北海道医療大学, 心理科学部, 講師 (70758549)
古市 保志 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (80305143)
越野 寿 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90186669)
長澤 敏行 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90262203)
木村 真一 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (90281287)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2026年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 学生参加型AI開発 / 協働学修 / 医療教育 / DX / オープンソースソフトウェア / 医療教育DX / AI / 個別最適化 / 学生参加型 / 内製化 / 教育DX / オープンソース / AI開発 / 数理データサイエンスAI教育プログラム / 学修支援 / データサイエンス / プログラミング / VR / 医療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、 小中規模でも機動性の高いAIを学生参加型で独自に内製化しながら、医療教育へのDXを推進することを目指している。機動性の高いAIを開発することで、多様な学部教育にも柔軟に対応したDXを推進する。また、学生の視点を取り入れながらAIを開発することで、個別最適化だけではなく学びあいにもAIを活用できるようにする。さらに、医療教育DXのノウハウ(AIモジュールや学修教材など)をオープンソース化して公開する「医療教育DXプラットフォーム」を創造して、AI開発・活用人材が限られているなかでも全国へ医療教育DXを波及し、来るべきSociety 5.0 で活躍できる医療人の育成を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、学生参加型で内製化したAIを活用しながら学修者本位の教育を実践し、さらに、医療教育DXプラットフォームを作成して全国へ波及させることである。 本年度は、研究実施計画に沿ってAIの内製化を積み上げてきたが、ポイントとなったのが生成AIである。全国的にも、生成系AIの革新的な技術が2023年度に急速に普及し、医療人教育の現場においても、生成AIとどのように向き合うべきかが重要な課題となった。このような中、本研究では、API技術を使って生成AIを内製化してきたAIに組み込むことで、研究計画の加速を図った。 本研究で生成AIを組み込んだ目的は、コミュニケーションスキル(討論する力・論述する力・発表する力)の向上であった。特徴は、ロールプレイをさせた生成AI、つまり、学生、教員、画匠役などの役割を演じさせた生成AIと学生が共に学べるようにした点である。学生を演じさせた生成AIをグループワークに参加させたことで、多様な専門分野からの新しい視点を理解・尊重して思考の幅を広げるなど、討論する力の向上を図れた。また、教員を演じさせた生成AIにレポートを添削させたことで、学生は自身の弱点や改善点をより明確に理解するなど、論述する力を効率的に向上できた.さらに、画匠役を演じさせた生成AIと共にプレゼンテーションを作成させたことで、自身のアイデアを視覚的に表現するなど、発表する力の向上も図れた。 この他、学生参加型AI開発教育を実施する授業科目「医療データサイエンス入門」に関しても、計画を前倒しして、医療技術学部において選択科目として実施した。さらに、本研究の成果を全国へと波及する取り組みについても、内製化したAIのソースコードに加えて、生成AIに関して用いたAPI技術についても、順次、本学DX推進サイトに公開をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画に沿って2023年度に設定した研究計画においては、まず、生成AIを活用しながらAIの内製化を進め、教育改善の取り組みを行うこととしていた。この計画に対して、本年度は、①生成系AIと共生した文章表現基盤教育の実践、②生成系AIとの相談を取り入れた数理データサイエンスAI教育プログラムの実践と検証、③学生の目指す職域で活躍するエキスパートを演じる生成AIアバターと共生した協働学修の実践と検証、④生成系AIを組み込んだ検証統合型知的学習チューターリングシステムの開発と検証、⑤生成AIにより学びを深めた数理データサイエンスAI教育プログラム、⑥データサイエンス教育における画像生成AIの活用なを順次実施するなど、計画を順調に進めている。 次に、学生参加型AI開発教育を実施する授業科目「医療データサイエンス入門」に関しても、一連の演習課題を作成した。この科目では、医療分野で広く活用されているAI技術の一つである画像認識・物体検出などの認識技術に特化した。特徴が学修教材として構築した模型都市である。模型都市はレゴブロックで組み立てているが、レゴで作られた模型都市のノイズはAI教材として手頃な範囲にあり、ノイズが少なく、画像認識技術のトレーニングやテストには理想的な環境を提供する。さらに、ハイパーパラーメーターを調整するなどの手探りをしながら画像認識のメカニズムを修得するプロセスも、限られた授業時間内に達成できる範囲である。このように、限られた授業時間の中でも画像認識モデルを作ることができることが「達成感」と「楽しさ」につながる学修の支援を提供している。 さらに、これらの内製化したAIのソースコードは、継続的に本学DX推進サイトに公開しており、月に2件以上の更新を行い、医療教育DXの普及に貢献することを目指している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度においては、20203年度までに進めてきたAIの内製化と利活用を、数理データサイエンスAI教育プログラム以外においても広く普及させる。 まず、医療教育へのDX推進の一環として、オンデマンド教材を自動で生成するAI(オンデマンド教材自動生成AI)を構築し、多様な授業科目における教育DXを進める。オンデマンド教材自動生成AIについては、現在、すでに、試作版の開発は終えている。ここでは、zoomで録画した授業映像から個別最適化したオンデマンド教材が自動で生成される。具体的には、授業映像を数分間程度の映像に分割し、分割した映像ごとに生成AIを使いながら音声をテキスト化したうえで、授業のまとめノートなども含めたオンデマンド教材を自動生成するようにしている。 オンデマンド教材自動生成AIは、今まで培ってきた教育DXやAI技術をベースに開発しているシステムであり、学生参加型AI開発の仕組みも取り入れながら、学修者本位の学びを提供できるようにする。また、オンデマンド教材自動生成AIも取り入れながら、本研究で実践してきたAI利活用の取り組みを、数理データサイエンスAI教育プログラム以外の授業科目においても広く実践し、本研究による実践成果の普及を目指す。 現在申請を進めている数理データサイエンスAI教育プログラム・応用基礎レベルについても、学会発表、パンフレット、本学DX推進計画サイト等による広報を通じて、普及活動を行う。特に、医療系教育の中で応用基礎レベルを実践するために行ったカリキュラム上の工夫、医療人を目指す学生にとって興味を掻き立てるような教材設計、教育実践による成果や効果などについて広報活動を行う。 また、2023年度に医療技術学部で開講した応用基礎レベルの授業科目を、2024年度には、心理科学部においても選択科目として開講することとし、他の学部への展開も図ることとする。
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