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シャドーイングの自動評価機能を活用して生きた英語の運用力を高める新システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K22325
補助金の研究課題番号 22H01054 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分09070:教育工学関連
研究機関創価大学

研究代表者

山内 豊  創価大学, 教育学部, 教授 (30306245)

研究分担者 木下 聖子  創価大学, 糖鎖生命システム融合研究所, 教授 (50440235)
峯松 信明  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90273333)
藤田 晶大  創価大学, 理工学部, 助教 (00719726)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
キーワード英語教育 / 音声学習 / シャドーイング / 自動評価 / 英語コミュニケーション能力 / 英語運用力 / 交流学習 / 音声コミュニケーション / 練習システム / 外国語運用力 / システム開発 / 外国語教育
研究開始時の研究の概要

ネイティブ・スピーカーのモデル音声が耳(聴覚的作動記憶内)に残っているうちに即時的に口頭再生するシャドーイング・パフォーマンスを,近年発達の著しいAIと音声工学技術を活用して自動評価して,学習者と担当教員にフィードバックする新しい英語学習システムを開発する。実際の授業で開発システムを使用することを通して,音声英語コミュニケーション能力と学習意欲の向上という観点から,開発したシステムの効果を検証する。

研究実績の概要

日本人英語学習者の音声コミュニケーション能力を高めるため,シャドーイングを中心とした生きた英語の練習システムを開発するにあたり,システムの仕様や必要な機器を選定した。
開発システムの使用前に,参加者の英語スピーキング技能を測定するプリ・テストの開発も行われた。コンピュータ上に提示された3種類のスピーキング・テスト課題(複数の絵を説明する課題,英語の質問に解答する課題,与えられたテーマに基づいて自分の意見を英語で述べる課題)に解答する。課題提示後に解答を考えるための一定の時間が与えられた。
この3種類のスピーキング・テスト課題を大学生の学習者50名に実施し,ベテラン英語教員が解答を5段階で評価した。TOEICによる英語の総合的熟達度(平均点は510.9,標準偏差は178.7)と3種類のスピーキング・テスト得点との相関を分析した。前者は比例尺度,後者は間隔尺度変数なのでスピアマンの順位相関係数(Spearman’s rank correlation coefficient)を用いた。その結果,相関(絶対値)は,すべて有意な結果となり,意見を述べる問題との相関(ρ=.595)が最も高く,続いて応答問題との相関(ρ=.557)が高く,絵を描写する問題との相関(ρ=.392)は有意ではあるが最も低い効果量(相関)となった。この結果から,総合的熟達度と最も関係の強いスピーキング・テスト形式は応答問題であり,スピーキング力の伸張を調べるには,意見を述べる形式のテストを用いることが適していることが示唆された。絵や写真を使った描写問題はスピーキング技能の測定によく使われる。しかし,この問題形式で測定されたスピーキング得点は,連続した絵や写真の内容を即時的に理解し,話の流れを作り出す能力などが含まれるため,総合的熟達度をどのくらい反映するかという面で問題があることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本システムに組み込んでいる学習者音声の自動評価について,当初に予定していた評価アルゴリズムの妥当性と信頼性を確認する作業を実施した。この作業のために,複数のシャドーイング課題を用意し,異なる調査協力者に対して,英語シャドーイング録音を依頼し,録音音声を分析評価した。この確認作業に想定以上の時間がかかったために,研究の進行にやや遅れが出ることになった。

今後の研究の推進方策

開発にあたり,開発用サーバーと公開用サーバーを設定し,前者でプログラミングして試行した後,公開サーバーにアップロードする形式をとることになった。開発言語であるPythonに実装されたWEBアプリケーション・フレームワークのDjangoを用いることになった。
日本人英語学習者の音声コミュニケーション能力を高めるため,14のステップを設定して開発を進める。英文パッセージについて,シャドーイングしたり,スクリプトを見ながらのシャドーイングをしたり,音読練習したりなどの言語活動を行いながら,同じ英文パッセージを多面的なモードでアプローチするという方法をとる。意味を考えながらシャドーイング練習できるように,内容理解の選択式の質問もステップの中に組み込んだ。
同じ英文パッセージに対して,さまざまな練習方法で繰り返すことによって,英語特有の発音,リズムやイントネーションに慣れることができ,英語の発話能力を高めることができる。さらに,同じ英文パッセージを繰り返すことにより,言語処理の速度が高まる結果,即時的に対応できる発話力が身につくだけでなく,言語処理の高速化による総合的熟達度の伸長が期待される。
以上のような方向性のもとで,生きた英語の練習システムの開発を進める。

報告書

(1件)
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)

  • [国際共同研究] メルボルン大学(オーストラリア)

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [国際共同研究] エモリー大学(米国)

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [雑誌論文] シャドーイングの自動評価機能を活用した次世代型国際交流サイトの開発と実践2022

    • 著者名/発表者名
      山内豊, 木下聖子, 峯松信明
    • 雑誌名

      言語教育エキスポ2021発表予稿集

      巻: 1 ページ: 59-60

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 未習の英語教材をシャドーイングさせる練習法の検討― 認知負荷理論と英語熟達度の観点から―2022

    • 著者名/発表者名
      山内 豊, 峯松信明, 西川恵
    • 雑誌名

      外国語教育メディア関東支部研究大会発表論文集

      巻: 1 ページ: 5-6

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] シャドーイング練習の位置づけの違いが 英語学習者発話のモデル音声への近さに与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      山内 豊, 峯松信明, 西川恵
    • 雑誌名

      外国語教育メディア学会第61回全国研究大会発表論文集

      巻: 1 ページ: 80-81

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 英語スピーキングテスト形式と英語熟達度の関係2022

    • 著者名/発表者名
      山内 豊
    • 雑誌名

      外国語教育メディア関東支部研究大会発表論文集

      巻: 1 ページ: 9-10

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 多読後インタビューとビデオ交換を組合せた新しい国際交流学習(COIL)2022

    • 著者名/発表者名
      山内 豊, Mizuki Mazzotta
    • 雑誌名

      言語教育エキスポ2022予稿集

      巻: 1 ページ: 58-59

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] DOES SHADOWING PRACTICE POTENTIALLY IMPROVE WORKING MEMORY CAPACITY AND L2 PROFICIENCY?2022

    • 著者名/発表者名
      Akemi Kawashima, Yutaka Yamauchi
    • 学会等名
      The 57th RELC International Conference
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] POSSIBILITY OF L2 SHADOWING AS EFFECTIVE PRACTICE TO IMPROVE PROMPT SPEAKING SKILLS2022

    • 著者名/発表者名
      Yuna Ota, Yutaka Yamauchi
    • 学会等名
      The 57th RELC International Conference
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Development of an automatic system evaluating L2 oral performances using AI and recent speech2022

    • 著者名/発表者名
      Yutaka Yamauchi
    • 学会等名
      The 42nd Thailand TESOL International Conference 2023
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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