研究課題/領域番号 |
23K22326
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補助金の研究課題番号 |
22H01055 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 湘南工科大学 |
研究代表者 |
梅澤 克之 湘南工科大学, 情報学部, 教授 (20780282)
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研究分担者 |
中澤 真 会津大学短期大学部, 産業情報学科, 教授 (40288014)
平澤 茂一 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (30147946)
中野 美知子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 名誉教授 (70148229)
吉田 諭史 近畿大学, 理工学部, 講師 (00608838)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 学習支援システム / 自学自習システム / プログラミング言語 / 第2言語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,プログラミング言語と第2言語の学習過程に着目し,学習状態を把握することで個人ごとに最適化された難易度調整,課題提示,つまずき支援を行う個別最適化された学習支援システムを開発しその評価を行う.学習状態の把握とは,学習履歴や学習時の生体情報を 計測することで,つまずきや興味・楽しみ,能力の認識,努力,プレッシャー・緊張感などの学習者の状態をシステムが分析・把握することを指す.本研究では,第2言語の学習法に関する既存研究を援用し,それをプログラミング言語の学習法に適用することでプログラミング言語 学習効果の向上を目指す.さらに逆に開発システムを第2言語の学習にも活用し相乗効果を図る.
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研究実績の概要 |
本研究では,プログラミング言語と第2言語の学習過程に着目し,学習者の学習状態を把握することで個人ごとに最適化された学習支援システムを開発しその評価を行う.具体的には,(a)マルチモーダル学習状態把握(簡易脳波計以外の生体情報での学習状態把握),(b)複数言語の統合分析(プログラミング言語と第2言語の学習過程の統合分析),(c)言語教育システムの開発(既存基盤研究の成果と(b)により判明した言語学習法の実現をサポートする学習状態把握による個人最適化学習システムの開発),(d)実証実験による評価(第2言語班とプログラミング言語班による実証実験)を行うことが目的である.本年度は,生体情報(脳波,心拍,表情)を計測し,脳波以外の生体情報で脳波を説明することを実施した.具体的には脳波を目的変数,脳波以外の生体情報を説明変数とし,二乗平均平方根誤差(RMSE)を最小化する重回帰式を求めた.これにより脳波計を装着しなくても腕時計型のデバイスや非接触型のWebカメラ等で学習状態を把握できる可能性を示した.また,複数回(具体的には3回)の異なる実験の計測データを用いて脳波と心拍の関係を分析した.その結果「あきらめ」の感情を判定できる可能性を示唆した.これらの研究結果により主観的評価に作用されるアンケートによる評価に代わり定量的な学習評価が可能になる.第2言語としての英語とプログラミング言語の学習過程に着目した研究を開始した.まだ学会発表には至っていないが実験を開始している.具体的には,英語とプログラミング言語の課題の種類(カテゴリと呼ぶ)ごとに生体情報を取得し,両者に有意な差がないこと、および別カテゴリ間には有意な差が生じることを示し,同カテゴリでは両言語の課題遂行時に生体情報に差が出ない,すなわち研究実績の豊富な第2言語習得の様々な技術をプログラミング言語の習得に適用できる可能性を示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施計画に示した内容,具体的には脳波以外の生体情報で学習状態を把握する方法を実証実験により確立する件に関して,脳波を1種類の心拍と10種類の表情で説明することに成功した.これにより目標として設定した主観的評価に作用されるアンケートによる評価に代わり定量的な学習評価が可能になることが実現できた.また,第2言語とプログラミング言語の習得に関する分析では,目標に掲げた通り,アンケートを活用するが,さらに学習時の生体情報を取得・分析することで学習者の学習状況を定量的に分析する実験を行った.こちらに関してはまだ学会発表等の外部発表は行えていないが,2023年度の早い段階で発表できる予定である.これらの事実により本研究課題はおおむね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
本研究では,プログラミング言語と第2言語の学習過程に着目し,学習者の学習状態を把握することで個人ごとに最適化された難易度調整,課題提示,回答,フィードバック,つまずき支援を行う個別最適化された学習支援システムを開発しその評価を行う.具体的には,(a)マルチモーダル学習状態把握(簡易脳波計以外の生体情報での学習状態把握),(b)複数言語の統合分析(プログラミング言語と第2言語の学習過程の統合分析),(c)言語教育システムの開発(既存基盤研究の成果と(b)により判明した言語学習法の実現をサポートする学習状態把握による個人最適化学習システムの開発),(d)実証実験による評価(第2言語班とプログラミング言語班による実証実験)を行う.2023年度は,実証実験の計測データを詳細に分析することから始める.これが実現すれば主観的評価に作用されるアンケートによる評価に代わり定量的な学習評価が可能になる.また,海外において第2言語習得(自然言語習得)の成功例をプログラミング言語教育に応用することで学生の満足度を向上させるという既存研究の方法論がある.2022年度は英語とプログラミング言語を学習している最中の生体情報を取得する実証実験を行った.今年度は,その実験データの詳細な分析を行う.これにより第2言語の学習方法をプログラミング言語の学習方法に適用する際の評価を厳密化し効果的な学習方法を確立する.さらに,今年度は,複数の生体情報を簡便に計測できるマルチモーダル生体情報取得システムのパイロット開発を行うこととする.これにより今年度,次年度,次々年度の実証実験を行う基盤を構築する.なお,パイロットシステムを用いて行う実証実験により明らかとなった改善案は随時システム開発にフィードバックする.
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