研究課題/領域番号 |
23K22327
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補助金の研究課題番号 |
22H01056 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
田中 孝治 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 准教授 (60583672)
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研究分担者 |
石黒 千晶 聖心女子大学, 現代教養学部, 講師 (00814336)
堀 雅洋 関西大学, 総合情報学部, 教授 (60368199)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2025年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 博物館学習 / 博物的知能 / Web調べ学習 / 仮説推論 / 探究学習 / 鑑賞教育 / 創造性 / 多重知能理論 / 博物館教育 / 探索学習 / 歴史探究 / 絵画鑑賞 / 鑑賞ワークショップ / 認知的制約 / メタ認知 / 古墳出土品 / 批判的思考 / ディジタルアーカイブ / 経験学習 |
研究開始時の研究の概要 |
多様な博物館教育プログラムを展開する基盤となる包括的学習モデルを構築する。特に、展示資料の注目点を把握する力と展示資料を相互に関連付けて把握する力(博物的思考スキル)に着目した実践検証型研究として、以下の達成目標を定めて推進する。(1) 博物的思考スキルを育成する学習モデルを構築する。(2) (1)に基づく学習の効果を分析するための評価モデルを構築する。(3) (1)と(2)のモデルを指針とした所蔵・展示資料の主体的探索を支援する学習支援システムを開発する。(4) (3)を教材として利用する異分野の博物館が連携して行う教育プログラムを開発・実践し、博物館教育における実践的な知識を生み出す。
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研究実績の概要 |
異なる地域にある同分野の博物館の展示物を学習対象とするために、新たに、石川県能美市にある「能美ふるさとミュージアム」の協力を得て、多面的情報検索機能を有する「能美古墳群出土品検索アプリ」を実装した。実装した出土品検索アプリを使用した教育実践を、大学のPBL型科目の一部として実施した。具体的には、博物館訪問前の事前学習として、展示資料・博物館を個別としたり複数としたりしながらの検索活動を通じて、主体的に仮説推論から包括概念を創出するような試行錯誤を伴う学習活動を求めるものであった。事前学習後の振り返り、博物館訪問後の振り返り、後日の振り返りから、学習者は事前学習によって探究の観点をそれぞれ持ったうえで博物館を訪問できていること、その探究の観点が博物館での学習の質を高めていることが示された。この研究成果については、次年度での発表を計画している。 また、新たに、大阪府堺市にある「さかい利晶の杜」の協力を得て、茶道に関する知識や所作を学ぶためのカードゲーム「茶の湯カルタ」を作成した。実際に、「さかい利晶の杜」でのイベント(2023年11月25日と26日)で展示され、多くの来場者が「茶の湯カルタ」を体験した。また、茶道経験者の大学生に対して、「茶の湯カルタ」ワークショップを実施し、その効果測定を実施した。これらの研究成果については、次年度での発表を計画している。 さらに、昨年度に引き続き、創造性に関するワークショップを「国立近代美術館」で実施し、参加者に対して追跡インタビューを実施した。この研究成果については、次年度での発表を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題では、異なる博物館の展示物を学習対象とする博物館学習を志向し、同分野での博物館で実践、異分野での博物館での実践の段階的な計画を立てている。今年度は、畿内(大阪府堺市)と北陸地域(石川県能美市)の二つの異なる地域にある古墳時代の博物館の展示物を学習対象とする教育実践を実施することができた。具体的には、多面的情報検索機能を有する「百舌鳥古市古墳群マップアプリ/出土品検索アプリ」と「能美古墳群出土品検索アプリ」の二つを交互に使う事前学習をデザインした。今年度に新たなに開発した「能美古墳群出土品検索アプリ」については、年度内に国内研究会で発表を行うことができた。 また、初年度に有用な結果が得られていた、作品細部への着目を促す鑑賞支援立方体パズルの開発(着眼点への気づき)に関する論文を投稿し、学術誌に掲載されるに至った。さらに、アルフォンス・ミシャ館に鑑賞教育ツールとして正式に採用され、6月より小学校等への貸出が開始された。 以上のことから、本事業はおおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
異なる地域にある同分野の複数の博物館の展示物を学習対象とした教育プログラムの実践結果について論文としてまとめる計画である。また、次の段階として、異分野の複数の博物館の展示物を学習対象とした教育プログラムを開発し実践する計画である。教育プログラムで得られたデータを分析する過程において、博物的思考スキルを育成する学習モデルを洗練する。並行して、創造性の自動採点システムの調査結果を分析し、論文としてまとめる計画である。
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