研究課題/領域番号 |
23K22330
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補助金の研究課題番号 |
22H01059 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 新居浜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
若林 誠 新居浜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (40462147)
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研究分担者 |
中谷 淳 愛知工科大学, 工学部, 教授 (10413775)
村上 幸一 香川高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (40370035)
徳光 政弘 (徳光政弘) 米子工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60713930)
高田 拓 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (80455469)
今井 雅文 新居浜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 講師 (10877260)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 科学教育 / 人工衛星開発 / ものづくり教育 / オンライン講座 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、これまで「高専スペース連携」として取り組んできた 「KOSEN-1」衛星の基礎教育プログラムの教材や手法を、高校~大学学士課程の学生教育に応用し、学習者の能力や興味に個別適応した学習を可能とするアダプティブラーニングの要素を組み入れた衛星開発教育プログラムを開発する。具体的には、「KOSEN-1」の基礎教材であった「モデルCubeSat」を個人でも学習できるよう刷新し、最終成果発表の場として成層圏気球の実験機会を提供できる体制を整備する。これらの取り組みをまず高専でカリキュラム化した上で、分野横断的かつ学校横断的な幅広い教育プログラムの展開を目指す。
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研究実績の概要 |
人工衛星の開発は、機械・電気電子・情報などの分野横断的な知識・技術が必要であるが、 それぞれの技術革新に伴って人工衛星は小型化を遂げ、CubeSatと呼ばれる超小型人工衛星が大学の航空宇宙工学の専門教育に導入されてきた。高専でもCubeSat開発の事例が数件あり、また近年では一般の高校生においても実際の衛星開発に携わる例が出てきている。本研究では、これらをイベント的なプログラムに終わらせることなく教育効果を精査したうえで、様々なレベルにある学習者に対してアダプティブラーニングとして適用できるような教育プログラムを策定していく。これまで高専での人工衛星開発に向け、主教材として活用してきたモデルCubeSatの改良をもとに、高校生から始められる実践的衛星開発カリキュラムの実現を目指している。具体的には、モデルCubeSatの製作とミッション企画・実施においてアダプティブラーニングの手法を取り入れ、個人レベルでの学習が可能なように刷新する。また、モデルCubeSatのミッション実施を基にした成層圏気球の実験機会を提供し、南予宇宙フェスでの気球甲子園等に出場することを目指す。高校年代の学生にモデルCubeSatの講座を試行してもらい、高校レベルでの講座実施において問題となる点を洗い出す。更にカリキュラム化に向けては本校にて単位化できるよう申請し、モデルCubeSatを用いた講座を展開する準備を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アダプティブラーニングとしては、個々の学生に対するリクエストにどのように応え得るかという点を検討し、高専スペースアカデミアで約50名の高専生に対して試行し、想定される不具合を洗い出した。また、学習効果を学生自身が確認するための小問を作成し、自主的な学習と知識定着を支援できる仕組みを作成した。成層圏気球の実験については、えひめ南予共同気球実験およびモンゴルの気球実験に、産技高専、香川高専、新居浜高専の学生がペイロードを製作して参加し、えひめ南予共同気球実験においては産技高専が最優秀賞を獲得した。産技高専と新居浜高専の参加者は本科4,5年生であったが、香川高専からの参加者は主に本科2,3年生で構成されており、これらの試みからモデルCubeSatを経験した高専生や高校年代の学生が気球実験に参加する道筋を立てた。一方で、モデルCubeSatを実践してもらう筈であった西条高校との連携が諸事情により消滅してしまい、高校での実施を検討する上で新たな連携先を探す必要がある。カリキュラム化については、令和5年度に申請に必要な情報を整理し、関係部署に申し入れた。単位化する講座内容を絞った上で、令和6年度で更に試行する準備を行った。
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今後の研究の推進方策 |
気球実験に複数回参加して分かったこととして、以下の3点がある。まず、「1.上空に60分程度滞在して行うミッションを考える上では、従来の2Uモデルのミッションスペースは小さすぎる」、次に「2.ペイロードを回収する際には海上への着水を前提としているため、防水加工の難しいモデルCubeSatの構体はあまり適していない」、また「3.実際のCubeSatの艤装を想定しない学習者にとって、2UのCubeSatへの艤装は難易度が高い」。これらのことを踏まえ、今後はモデルCubeSatのバス系はそのまま踏襲しながら、構体は20x15x15cmの発泡スチロール製クーラーボックスを標準として用いていき、この構体として何を採用するかを含めて学習内容としていきたい。また普通高校との連携においても、従来このような取り組みがほとんどない高校と連携する場合には、先方の取り組みが受け身になりがちで連携が持続しにくいと感じられた。よって、元々気球実験等の取り組みモチベーションを持って取り組めるような連携先を今後調査していく。
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