研究課題/領域番号 |
23K22356
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補助金の研究課題番号 |
22H01085 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
石黒 千晶 聖心女子大学, 現代教養学部, 講師 (00814336)
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研究分担者 |
石原 暢 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (10801631)
岡田 猛 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (70281061)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 創造性 / 学校 / 家庭 / 横断研究 / 縦断研究 / 創造的自己 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は日本人の思春期から青年期の創造性発達について、横断的・縦断的な知見を得ることが目的である。創造性を発揮するためには創造的潜在能力だけでなく、実際の創造的行動を動機づける態度として自らの創造性に自信を持ったり、創造性に価値を感じることが重要である。本研究ではこうした創造性への自信や価値づけを創造的自己として、児童や生徒の創造的自己や創造的行動がどのように発達するかを検討する。特に、家庭や学校で保護者や教師が児童生徒の創造的自己・行動の発達においてどのような役割を持つかを明らかにする。そのため、児童・生徒やその保護者を中心に横断的・縦断的研究を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は学校や家庭環境の影響を受けながら小中高生の創造的自己がどのように発達するかを明らかにすることが目的である。創造的自己は近年、学校や企業など人材育成の場面で創造活動の動機づけを左右する態度として注目されている。創造的自己信念は家庭や学校で保護者や教師、友人からの影響を受けながら発達していくと考えられている。しかし、こうした創造的自己の発達過程についての実証研究は少ない。 こうした研究背景から本研究では特に、横断的・縦断的調査によって保護者や家庭環境、教師や学校環境が与える影響を理解することを目指す。さまざまな参加者がかかわる調査を行うため、2022年度までは子どもや保護者・教師のための尺度を揃えるため、既存尺度の翻訳、調整、新規開発を行っていた。尺度開発については、創造的マインドセット尺度の論文が採択された他、もう1つ英語論文を投稿し、現在査読を受けている。2023年度はこれらの尺度を用いて、保護者や教師を対象にした予備的な質問紙調査やインタビューを実施した。 保護者の調査では、日本の保護者にとって文化的に回答しやすい尺度を作成できたかという妥当性・信頼性のチェックを行うことができた。さらに、保護者の創造性についての価値観と子どものいる家庭での創造活動との関係が示唆された。さらに、協力校では子どもや保護者を対象とした縦断調査を開始した。2023年度なかばから調査を開始し、2024年まで数回の縦断調査を行う。こうした保護者と子どもを紐づけた縦断調査は国際的にも新しい取り組みである。 また、創造性教育における教師研究の中では、日本人の教師の創造的マインドセットは他国よりも固定的である可能性が示唆されている。こうした創造的マインドセットの特徴や、固定的マインドセットが強化されるメカニズムについても実験的調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の後半に保護者や教師の創造性教育への態度に関する研究を再度レビューして、課題を延長したおかげで研究の課題や仮説を丁寧に整理することができた。こうした仮説の精緻化によって2023年度に行う横断・縦断調査の計画を明確にして進めることができた。現在は保護者への横断的調査を終えて、家庭環境の影響を検討するための縦断調査を開始している。2023年度内に2時点の調査を終えることができた。そのため、本研究の核の一つである家庭環境による創造性発達への影響についての研究を順調に進めていると言える。 学校環境による影響についても、創造性教育への態度に関わる点で実験的調査を行った。この調査を通じて、日本人の教師の創造性教育への態度がどのようなメカニズムで生まれるのかを理解することができる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度までで、家庭環境に関わる横断的・縦断的データ収集を進めることができた。そのため、2024年度以降はこれまで開発した残りの心理尺度に加えて、横断・縦断データの分析、および、論文執筆に注力する。さらに、日本人の教師の創造性教育への態度についても、創造性教育への態度に関する実験的調査の結果を論文にまとめる。
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