研究課題/領域番号 |
23K22357
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補助金の研究課題番号 |
22H01086 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 日本大学 (2024) 国立教育政策研究所 (2022-2023) |
研究代表者 |
山森 光陽 日本大学, 経済学部, 教授 (60370079)
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研究分担者 |
大内 善広 東京未来大学, こども心理学部, 准教授 (00454009)
岡田 謙介 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (20583793)
岡田 涼 香川大学, 教育学部, 准教授 (70581817)
河野 麻沙美 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (00539520)
熊井 将太 安田女子大学, 教育学部, 准教授 (30634381)
澁江 学美 山形大学, 大学院教育実践研究科, 教授 (50995214)
草薙 邦広 県立広島大学, 地域創生学部, 准教授 (60782620)
篠ヶ谷 圭太 学習院大学, 文学部, 教授 (30645289)
鈴木 雅之 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (00708703)
出口 毅 山形大学, 大学院教育実践研究科, 教授 (60241684)
徳岡 大 人間環境大学, 総合心理学部, 講師 (80780642)
中島 健一郎 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (20587480)
中本 敬子 文教大学, 教育学部, 教授 (50329033)
萩原 康仁 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総括研究官 (30373187)
山田 剛史 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (10334252)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2026年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | クラスサイズ / 学級規模 / 授業観察 / パネルデータ / 小学校 / 理科 / GAMLSS |
研究開始時の研究の概要 |
クラスサイズが児童生徒の学力に影響を与える過程を明らかにするために,大規模,小規模クラスを対象とした複数回の授業観察を行い教師及び児童の教室での行動をデータ化し,クラスサイズによる教師及び児童の教室での行動の違いと,これらによる児童個別の1年間の学力推移の傾向の違いを分析する。クラスサイズが教師の指導方法,児童生徒の学習行動に違いをもたらすことを経て児童生徒の学力等に影響を与える過程が,一連のものとして明らかにされることが期待される。
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研究実績の概要 |
2022年度(研究期間の1年目)に実施した,小3から小6の理科(n=4,104)の学力偏差値パネルデータの分析を行った結果特定した,クラスサイズによる学力推移の違いが生じる学年(小4)及び,その傾向が顕著に見られることが示唆されたクラスサイズ(20人前後と30人前後)の学級を対象とした授業観察を実施した。 授業観察の実施方法は以下の通りであった。[対象校と学級]クラスサイズ20人前後の学校4校,30人前後の学校3校,各校2学級。[対象教科と単元]理科の「季節と生物」内容の1時間,「金属,水,空気と温度」内容の2時間,計3時間。[観察対象児]各学級の成績上位(標準学力検査の偏差値が65前後),中位(偏差値55前後),下位(偏差値45前後)の児童3名ずつ。[観察方法]1時間の授業について,1名あたり30秒ごとに輪番的に,時間見本法と事象見本法とを組み合わせて児童の授業での様子を観察し記録。あわせて,教師の指導行動についても,事象見本法で観察し記録した。 観察対象児については授業観察記録と,下学年内容の標準学力検査での学力偏差値とを個別に連結したデータを作成した。観察対象児以外の児童については,下学年内容の標準学力検査での学力偏差値のデータを個別に取得した。これらのデータに対して,2024年度前半に実施予定の第4学年内容の標準学力検査の結果を加えると,クラスサイズによる教師の指導行動,児童の学習行動,学力偏差値推移の違いを比較する分析を行うためのデータが揃うこととなる。 また,上記の授業観察で使用した行動目録を用いた行動評定の信頼性の確保に必要な評定者数と,信頼性の確保のために事前練習が必要な項目とを明らかにするために,2022年度に実施した観察試行のデータに対して一般化可能性理論を適用した分析を行った。この結果は,日本教育工学会2023年秋季全国大会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的を達成するために必要な,クラスサイズによる教師の指導行動,児童の学習行動,学力偏差値推移の違いを比較する分析を行うためのデータは,2023年度(研究期間の2年目),2024年度(3年目)の2年間をかけて授業観察等を実施して完成させることを当初より計画している。2023年度は,上記のデータの半分程度を作成することができたため,本研究は計画通りに進捗しているといえる。 ただし,一部の観察対象授業で,観察実施中に予期していなかった事象(児童どうしのいざこざによる授業の一時中断,他の観察対象学級とは大きく異なる内容の授業の実施)が起こった。これらの授業で取得したデータは分析対象から除外せざるを得ない。 これらの内容を踏まえると,本研究は概ね順調に進展していると評価できると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度(研究期間の3年目)は,当初の計画の通り2023年度(2年目)に引き続き,本研究の目的を達成するために必要な,クラスサイズによる教師の指導行動,児童の学習行動,学力偏差値推移の違いを比較する分析を行うためのデータを完成させるための授業観察を実施する。2023年度に起こった,一部の観察対象授業での観察実施中に予期していなかった事象の発生に備えるために,以下のような方策をとって授業観察を実施する。 一つは,対象学級数を20人前後学級,30人前後学級ともに14学級確保できるようにするために,2024年度は20人前後クラス10学級,30人前後クラス8学級で授業観察を実施できるようにするために,20人前後クラス学校7校,30人前後クラス学校5校に協力いただけるようにする。これについては,2023年度末より,調査対象地域の教育委員会関係者との協議に着手しており,2024年7月には確定できる見込みである。 もう一つは,調査対象地域に所在する国立大学の教職大学院担当教員を授業観察実施担当の研究分担者として追加し,大学院生への研究協力謝金も積算することで,対象学校数の増に対応し,効率的に授業観察を実施できるようにする。なお,行動評定の信頼性を確保するためのトレーニングの機会を設定することを予定している。 2023年度に実施した授業観察の結果得られたデータに対しては,予備的な分析を行い,2024年度に完成予定の分析用データ,2025年度(研究期間の4年目)に迅速に処理できるように準備を進める。また,2022年度に実施した授業観察の対象学年,教科,比較対象クラスサイズを決定するための分析の結果は,クラスサイズ研究としても新たな知見が得られたと考えられるため,学術論文としての出版を目指したい。
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