研究課題/領域番号 |
23K22362
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補助金の研究課題番号 |
22H01091 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
滝沢 龍 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (30420243)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2026年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | ストレス / 逆境 / レジリエンス / 見える化 / 予防 / 人生早期ストレス / ウェルビーイング / 保護・代償的体験 / マイドフルネス / デジタルバイオマーカー / ライフコース・アプローチ / コンパッション / 認知的柔軟性 / 認知的感情制御 / 人生早期体験 / 心身の健康 / 前向き出生コホート |
研究開始時の研究の概要 |
人生早期に体験する有害ストレスにより、成人に至るまで心身の健康や生活に長期的リスクを残すことが示されてきた。生涯発達という長期的な視点で、こうした健康リスクを低減する知見を積み上げる必要がある。保護的・代償的に働くポジティブ体験の枠組みが提案されているが、成人期に至る長期的な実証は未だにされていない。そこで申請者が参加する国内外の大規模コホートを複数用いて、ポジティブ体験の長期的な心身の健康への効果検証をする国際共同研究を行う。さらにどの種類の人生早期の逆境体験がどの種類のポジティブ体験によって長期的な悪影響を緩和できるのか詳細を明らかにし、将来の教育・臨床の社会実装に資する研究成果を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、人生早期に体験する有害ストレスにより、成人に至るまで心身の健康や生活に長期的リスクを残すことが示されてきた。生涯発達という長期的な視点で、こうした健康リスクを低減する知見を積み上げる必要がある。保護的・代償的に働くポジティブ体験の枠組みが提案されているが、成人期に至る長期的な実証は未だにされていない。そこで申請者が参加する国内外の大規模コホートを複数用いて、ポジティブ体験の長期的な心身の健康への効果検証をする国際共同研究を行う。さらにどの種類の人生早期の逆境体験がどの種類のポジティブ体験によって長期的な悪影響を緩和できるのか詳細を明らかにし、将来の教育・臨床の社会実装に資する研究成果を目指すものである。初年度となる本年度の研究実績は、国内外の複数の大規模コホート調査のデータを用い、人生早期に体験する有害ストレスを有した成人の健康リスクへの長期的影響(青年期から中年期への変化)に違いをもたらす保護因子を見出すための検討し、認知的感情制御や認知的柔軟性やコンパッションの統計的に有意な調整効果を見出した。それと合わせて国内での比較研究ができるように約4000名を超える労働者を継続的に縦断調査を開始し、被検者を3か月~6か月ごとにフォローアップ調査をしている。またこうした保護因子を促進する介入効果について検討も、予備的なランダム化比較試験を開始した。これらの先行研究を概観した上で、研究グループによる翻訳した尺度を用いた研究結果をまとめて、国際学会や国内学会で複数の研究発表を行い、最新の知見をレビュー論文として複数の学術雑誌に公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内外の複数の大規模コホート調査のデータを用い、人生早期ストレスを有する成人の健康リスクへの長期的影響(青年期から中年期への変化)に違いをもたらす保護因子を見出すための検討を継続している。国内ではすでに4000名を超える成人を縦断的にフォローアップ計測しており、その中で過去の逆境体験があったとしても、その悪影響を軽減できる代償的・保護因子にフォーカスした解析を行い、いくつかの予備的結果を得た。さらに、予防的な介入効果を検討するため、予備的なランダム化比較試験も開始している。このように、国内外の研究データを解析した結果を国内外の学会や学術論文でも公表を始めており、順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
新年度では、国内外の大規模コホート調査におけるデータの解析を継続し、人生早期ストレスを有する成人の健康リスクへの長期的影響に違いをもたらす保護因子の共通点と相違点を見出す検討を継続する。国内の成人調査を約4000名で開始し、その1年後のフォローアップ調査の中で、海外データとの国際比較検討も行う。マインドフルネス介入の効果を検討するためのランダム化比較試験の結果がまとまり次第、これまでの縦断コホート調査の検討と組み合わせて、国内外の学会発表や学術雑誌への公表を進めていく。
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