研究課題/領域番号 |
23K22363
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補助金の研究課題番号 |
22H01092 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
袴田 優子 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (30450612)
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研究分担者 |
堀 弘明 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 行動医学研究部, 室長 (10554397)
玉置 應子 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 理研白眉研究チームリーダー (20586276)
田ヶ谷 浩邦 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (50342928)
水上 慎也 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (80759340)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 記憶 / 心理介入 / 情動 / ストレス / fMRI / 認知バイアス |
研究開始時の研究の概要 |
fMRI実験備品の不具合や予備実験に当初の予想より多くの時間を要したことから研究の実施は申請時の計画よりもやや遅れている状況である。これを踏まえて、上記のリクルート改善策を適用し、2024年度に60名、2025年に60名からのデータ収集を目指す。脱落率を2割強と想定して募集人数設定しているが、これまでのところ脱落率は予想より低いため、全行程完遂者の人数が解析上必要最低限の人数に達した時点で募集を終了する。また可能な限り全体の計画が円滑かつ効率的に進むように、研究実施時に浮上した課題に対しては都度改善策を講じるとともに、リクルート方法やその他のプロセスについても適宜見直してゆく。
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研究実績の概要 |
本研究は、ストレス関連精神症状を有する者において情動記憶の文脈情報喪失機序について心理学、認知科学、神経科学、内分泌学、遺伝学を含めた分野横断的手法により明らかにするとともに、この文脈情報の喪失を効果的に防止することでストレス関連精神症状を軽減させる「記憶バイアス緩和プログラム」を開発することである。 当該年度において、倫理審査承認を得て、MRスペクトロスコピーを用いた予備実験(関心の領域における代謝産物の安定的測定)および介入プログラムの開発(一部にAI機能を導入し、スマートフォン上で実施可能)を行った。MRスペクトロスコピーの予備実験では最適パラメータの同定に当初の予想よりも時間を要したが、本実験での撮像を開始している。また介入プログラムの開発も終わり、介入試験を開始しているところである。 研究成果としては、ストレス関連精神障害の発症に対する高リスク者にみられる幾つかの記憶バイアス(潜在的に生じる否定的な記憶想起の偏り)とその神経生物学的相関(扁桃体-前帯状皮質膝下部との機能結合変異)について調べた結果をPsychoneuroendocrinologyに、高リスク者で多く見られる幼少期被虐待経験の神経生物学的相関(インターロイキン6の分泌変異)について調べた結果をBrain, Behavior, and Immunityに、被虐待経験の神経生物学に関するシステマティックレビューをFrontiers in Neuroendocrinologyといった信頼ある国際的学術雑誌に公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MRIを用いた予備実験に使用する視覚刺激モニター装置に不測の故障が生じ一時期実験ができなくなっていたため。
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今後の研究の推進方策 |
・適格基準を満たす参加者を安定的に確保してゆくために、引き続き、治験募集サイトを含めて幅広くリクルート活動を行う。 ・また一人当たりに要する実験時間を質を維持したまま出来る限り減らせるようにする。特に症状評価面接やMRI撮像に時間を多く要しているため、実験実施マニュアルを見直し、無駄な時間が生じていないか再検討する。 ・一定程度データが集積した段階で、MRスペクトロスコピーのデータから解析を始めてゆく。 ・本研究に関連する別の研究データの二次利用を活用することで本研究の発展可能性を最大化できないか検討する。
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