研究課題/領域番号 |
23K22381
|
補助金の研究課題番号 |
22H01110 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
林 正道 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 研究員 (50746469)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2023年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 数量知覚 / 機能的MRI / 経頭蓋磁気刺激 / 心理物理 |
研究開始時の研究の概要 |
「数」の情報は我々の選択行動において決定的に重要となる要素の一つである。これまでの研究では、数の知覚は、数の情報が呈示される文脈によっても影響を受ける「主観的な」感覚であることが報告されている。しかしながら、数量知覚の主観性が、どの脳領域から、どのようにして生まれてくるのかは明らかではない。そこで本研究では、この「数量知覚の主観性」に注目し、数量の錯覚現象と脳機能イメージングおよび非侵襲脳刺激法を組み合わせることで、数量知覚の主観性に関連する神経基盤を因果関係も含めて明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究では、数量知覚が特定の数への順応によって変容することを確かめるために、まず予備的な心理物理実験を行う予定であった。しかしながら、最近、数量の情報を視覚的なドットによって呈示する場合、ドットの色を順応刺激とテスト刺激で変化させると、陰性残効が顕著に減弱することが報告された(Grasso et al., 2022)。この結果が正しいとすれば、従来の白と黒のドットを半々ずつ呈示する刺激方法で得られた順応効果の実験の多くは、想定されているドットの「総数」ではなく、「半数」への順応効果を評価していた可能性があると考えた。そこでまず、従来の白黒のドットを用いた刺激呈示方法の妥当性を再評価する必要があると考え、一連の心理物理実験を行った。その結果、順応刺激とテスト刺激の間の輝度極性を反転させると、陰性残効の強度は(同一の輝度を用いた場合に比べて)有意に減弱するものの、なお有意な陰性残効が残ることが明らかとなった。また、順応刺激及びテスト刺激の直後にマスク刺激を挿入して網膜残像を抑制したり、テスト刺激の輝度極性を試行間でランダム化して輝度の予測性を抑えても、この結果はロバストであった。この成果は国際学術誌へ投稿するために、現在論文執筆中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最新の知見により当初想定していた実験刺激の妥当性を再検証する必要が生じ、検証実験を行う時間が必要となったため。
|
今後の研究の推進方策 |
刺激の妥当性については検証を進めることができたため、この成果を念頭にfMRI実験および非侵襲脳刺激実験を実施するための準備を引き続き進める。
|