研究課題/領域番号 |
23K22385
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補助金の研究課題番号 |
22H01114 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中西 知樹 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (80227842)
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研究分担者 |
木村 嘉之 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 特任講師 (10637010)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2026年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 団代数 / 団散乱図 / 二重対数関数 / 散乱図式 |
研究開始時の研究の概要 |
団代数は,2000年ごろにFominとZelevinskyにより導入された可換代数の一種である.多元環や量子群の表現論,タイヒミュラー理論,整数論,完全WKB解析など,様々な分野に現れる代数的組み合わせ論的構造として,盛んに研究されている.本研究では,団代数理論の理論体系を整備すること,団代数理論の様々な応用を研究することの二つを主題としている.特に,団代数理論をミラー対称性に現れる散乱図により再定式化することを目標とする.
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研究実績の概要 |
以下の研究を行った. 1.最近,Li-Panにより,ニュートン多面体の方法による団代数理論における重要定理(C行列の符号同一性定理・ローラン正値性)の新しい証明が与えられた.これは,従来のGrossらによる散乱図による証明とは全く異なるものである.団代数理論における上の二つの定理の重要性に鑑みて,Li-Panの導入した多面体関数の研究を行った.多面体関数とは,団単項式の一般化であり,またランク2の場合の貪欲元(greedy element)の一般化である.今年度は主としてランク2の場合を詳細に研究して,興味深いいくつかの新しい結果を得た.結果はまだ公表していないため,詳細は記さない. 2.昨年度から引き続き団代数理論の基礎に関する包括的な教科書の執筆をし,団代数理論の体系的な整備を行った.これは,2024年度には出版される見込みである. また,伊山(東大),大矢(東工大),木村(大阪公大)と共同で以下の二つの研究会を実施した. a. Summer School on Cluster Algebras 2023年8月,オンライン,b. Advances in Cluster Algebras 2024年3月,名大.とくに,bについてはコロナ禍以降初めての対面式の研究集会であった.二つの研究集会を通して,参加者と活発な議論を行い,団代数の理論と応用についての最新の結果と知見を得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当研究の目標である団代数論と団散乱図の融合に向けて,団代数理論の現状を体系的にまとめた本の執筆を計画通りに進められた.また,団代数と団散乱図の間を埋める新たな視点としてニュートン多面体による多面体関数の研究を開始した.現在はランク2における結果しか得ていないが,このアプローチは団変数の悪地領域への拡張を与えるものとしてとても有効であると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
以下の3つの研究を並行して進める. 1.ランク2および一般ランクの多面体関数の研究を引き続き行う. 2.団代数理論の基礎に関する包括的な教科書の執筆を完了する. 3.昨年度は中断していた団代数と2重対数関数恒等式の関係に関する包括的な教科書の執筆を再開し完了する.
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