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量子モジュラー形式の深化と展開

研究課題

研究課題/領域番号 23K22388
補助金の研究課題番号 22H01117 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分11010:代数学関連
研究機関九州大学

研究代表者

樋上 和弘  九州大学, 数理学研究院, 准教授 (60262151)

研究分担者 村上 斉  東北大学, 情報科学研究科, 教授 (70192771)
藤 博之  神戸大学, 数理・データサイエンスセンター, 教授 (50391719)
寺嶋 郁二  東北大学, 理学研究科, 教授 (70361764)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2026年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
キーワードトポロジー / モジュラー形式 / 量子不変量
研究開始時の研究の概要

結び目や3次元多様体の量子不変量の背景にある幾何学的性質を明らかにしようとする過程において生まれたものが量子モジュラー形式である。2010年頃に提唱された新しい研究対象であり、数学だけでなく超弦理論など物理においてもその重要性が増している。数学・物理のさまざまな手法を取り入れて量子モジュラー形式の数理・幾何構造を確立しその応用研究を目指す。

研究実績の概要

(1) 量子モジュラー形式はこれまでに無かった概念であり、結び目や3次元多様体の量子不変量が量子モジュラー性をもつとされる。よく知られている例がトーラス結び目の色つきJones多項式やSeifert多様体のWitten-Reshetikhin-Turaev(WRT)不変量などであるが、実際に量子モジュラー性を示すのは困難が多く、漸近極限を調べることが大変有用となる。当該年度はトーラス結び目のDehn手術から得られる多様体のWRT不変量を漸近極限を詳細に解析し、Chern-Simons不変量やReidemeister捩れとの関係を明らかにした。
(2) 双曲結び目の不変量の量子モジュラー性の解析には状態積分が有用である。これまでに研究されていないものも含めた幾つかの結び目について解析を進めている。特に、位相的漸化式や厳密WKB法などさまざまな手法の有用性を試みている。
(3) トーラス結び目の色つきJones多項式は偽テータ関数と非常に相性が良い。擬テータ関数は頂点作用素代数にも現れるため、量子モジュラー性の解明には頂点作用素代数の手法も有用であるものと期待される。当該年度において、(s,t)対数型頂点作用素代数の指標が(2s,2t)トーラス絡み目の色つきJones多項式とが一致することを、学振特別研究員との共同研究で見いだした。また、色つきJones多項式の「しっぽ」と呼ばれる部分と指標との関連性も指摘した。
(4) 当該年度には二重アフィンヘッケ代数を用いた量子不変量の再構成についての研究をひきつづき行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

国際会議を通じて海外共同研究者と議論を持つ予定であったが、新型コロナにより22年度中の国際会議開催を断念した。また、同じく参加であった会議がZoom開催のみとなり共同研究者との十分な議論を持てなかったため。

今後の研究の推進方策

結び目の量子不変量の漸近形を研究する上で、Khovanovの圏化多項式との関係から多変数化もたいへん重要な課題である。多変数多項式の構成には新しい手法が必要となると思われている。申請者は2重アフィンHecke代数(DAHA)とクラスター代数が有効な手法であるものと考えている。既によく知られているDAHAを用いることによって、トーラス結び目の多変数多項式不変量が構成されることがCherednikによって指摘されている。しかしながら、トーラス結び目ではない双曲結び目に適用するには全く新しいDAHAが必要となる。その手がかりは申請者によって提唱されているが、残念ながら不完全な部分が残っている。この手法のさらなる発展を探り、ツイスト結び目に代表される双曲結び目の不変量の新しい構成方法を確立したい。 クラスター代数については、曲面の三角形分割からスケイン関係式を満たすようなWilson作用素の構成方法が知られているが、具体的に書き下すには非常に複雑となる。新しいDAHAとの関係を明らかにすることにより曲面上のクラスター代数についても新たな知見を提唱したい。

報告書

(1件)
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Quantum invariants of three-manifolds obtained by surgeries along torus knots2023

    • 著者名/発表者名
      Murakami Hitoshi、Tran Anh T.
    • 雑誌名

      Quantum Topology

      巻: 13 号: 4 ページ: 691-795

    • DOI

      10.4171/qt/175

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 3-manifodls and quantum modular forms2022

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Hikami
    • 学会等名
      AMS spring western virtual sectional meeting: special session "q-series, number theory, and quantum topology"
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 入門:モックテータ関数とムーンシャイン2022

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Hikami
    • 学会等名
      早稲田整数論セミナー
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 行列模型と位相的漸化式2022

    • 著者名/発表者名
      藤博之
    • 学会等名
      Aspects of Mirror Symmetry
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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