研究課題/領域番号 |
23K22390
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補助金の研究課題番号 |
22H01119 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
栗原 将人 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (40211221)
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研究分担者 |
塩川 宇賢 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 名誉教授 (00015835)
藤井 俊 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (20386618)
佐野 昂迪 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30794698)
坂本 龍太郎 筑波大学, 数理物質系, 助教 (70905447)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
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キーワード | 楕円曲線 / Euler系 / Stark系 / 岩澤理論 / オイラー系 / 楕円曲線のSelmer群 / イデアル類群 / 岩澤加群 / Selmer群 / セルマー群 |
研究開始時の研究の概要 |
ゼータ関数の整数での値が持つ数論的意味に関しては、整数論の主題として多くの研究がなされてきている。われわれは、イデアル類群やSelmer群のような数論的対象物をGalois群が作用する加群と考え、その作用もこめたGalois加群の様子をゼータ関数由来の解析的対象で表す一般的な研究を行う。最近新しく発展している Euler系、Kolyvagin系、Stark系などのコホモロジー群の元の系列を、新たな視点から組織的に研究し、Selmer群や数論的コホモロジー群のGalois加群としての構造を、ゼータ関数由来の元で記述する理論を創りあげ、従来の岩澤理論を高い立場から一般化・精密化した理論を構築する。
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研究実績の概要 |
総実代数体上の円分 Zp 拡大の S 分岐岩澤加群の生成元の個数について、東京理科大学の片岡武典氏と共同で研究した。ミュンヘン防衛大の Greither 教授および慶應義塾大学理工学部研究員の時尾響氏と研究代表者との共同研究により、Galois群がZpと有限Abel p群と積となるような総実代数体上のGalois拡大体上の S 分岐岩澤加群(Sはこの拡大で分岐する素点をすべて含む)のGalois加群としてのFittingイデアルを決定したが、これは大変複雑な形になる。そこで、この岩澤加群の最小生成元の数および最小関係式の数について研究した。結論として、最小生成元の数はGalois群となる有限 p 群の生成元の数の2次式のオーダーで、最小関係式の数は3次式のオーダーで増えることがわかった。つまり、Galois群の生成元の数が大きくなってくると、岩澤加群は、今まで予測されていたよりはるかに複雑な加群となることがわかった。 楕円曲線の Selmer 群の構造について、それを決定する新しい方法を定式化した。これはアルゴリズムになっていて、実際に数値計算に用いることができる。このためには、Gauss和型の Kolyvagin 系を用いることが鍵である。また、K.Kato による Euler 系と上記の Kolyvagin系との直接的な関係を明らかにすることができた。このことは、坂本龍太郎氏による rank 0 の Kolyvagin 系理論と深く結びついており、坂本氏と共同研究を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
岩澤加群の生成元の数について、片岡武典氏との共同研究により、きわめて正確な不等式を得ることができ、最小生成元の数は、Galois群の生成元の数の 2 次のオーダーで増えて行くことがわかった。また、最小関係式の数もわかった。さらには、p=2, 3 に対して、数値計算も行うことができた。このように、この研究は、当初の見込みよりずっと進んでいる。 また、新しい形の Euler 系、Stark 系、Kolyvagin 系の理論についても、楕円曲線の Selmer 群について新しい予想の定式化、rank 1 の Euler 系との関係など、新しい展開がいろいろと進んでいる。このような進展を考えると、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、新しい型の Euler 系、Stark 系、Kolyvagin 系の理論の整備に力を注ぎたいと考えている。特に、Self dual な motive に対して、その Selmer 群の構造について楕円曲線と同じ理論が作れるかを研究したい。また、さまざまな場合に数値例の計算も数多く行いたいと考えている。 2024年7月には、岩澤理論の国際研究集会を慶應義塾大学において開催する。岩澤理論やゼータ関数の数論的意味の研究で、世界の第一線で研究している研究者達を数多く招聘する予定であり、既に140名の参加登録がある。この研究集会で、世界の第一線での研究成果を吸収し、同時に本研究の成果を世界に発信したいと考えている。
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