研究課題
基盤研究(B)
特異点は,数学と理論物理学にまたがる「可積分系」研究分野において非常に大きな役割を果たしてきた概念である.一方,離散的な方程式においては,方程式の特異点構造が常差分方程式の可積分性を完全に支配することが知られているものの,非線形偏差分方程式やそれと密接な関係にある関数方程式の特異点については殆どわかっておらず,これらの方程式における可積分性の普遍的な定義も決定的な特徴も未だに知られていない.以上の背景のもと,可積分系とみなされる非線形偏差分方程式と関数方程式の特異点構造を明らかにし,その構造が方程式の可積分性と捉えられる特徴にどのような影響を及ぼすかを理解することが本研究の主たる目標である.