研究課題/領域番号 |
23K22430
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補助金の研究課題番号 |
22H01159 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
北野 健太 青山学院大学, 理工学部, 助教 (90586900)
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研究分担者 |
前田 はるか 青山学院大学, 理工学部, 教授 (80260199)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 超蛍光 / 冷却原子 / 非線形光学 / 量子多体系 / 四光波混合 / 磁気光学トラップ |
研究開始時の研究の概要 |
超蛍光とは励起状態に分布した放射体の集合が、自然放出過程を介して自発的に量子もつれ状態を形成し、高強度なパルスを放射する現象である。約半世紀に渡り超蛍光は二準位系の現象として認知されてきたが、近年、多準位系では非線形光学現象を誘発する事が明らかになった。そこで本研究では、冷却原子を用いる事でマイクロ秒以下のゆっくりと時間変化し、かつフォトンフラックスが十分に小さい非線形光学現象を実現させ、その量子光学的性質を解明する。これによって新奇輻射現象の実現とその応用を目指す。
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研究実績の概要 |
超蛍光とは励起状態に分布した放射体の集合が、自然放出過程を介して自発的にエンタングルメントを形成する事によって、通常の蛍光とは異なる高強度なパルスを放射する量子多体現象である。約半世紀に渡り超蛍光は二準位系の現象として認知されてきたが、近年、多準位系ではナノ秒以下の高速な非線形光学現象(以下、非線形超蛍光現象と呼ぶ)を誘発する事が明らかになった。この事は、多彩な非線形光学過程を制御する事で量子多体系からの新奇輻射現象を実現できる事を強く示唆している。非線形超蛍光現象の量子性を研究するためには、輻射場の光子数密度(フォトンフラックス)をフォトンカウンティング手法を適用可能なレベルまで低くする事が必要となる。そこで本研究では、冷却原子を用いる事でマイクロ秒以下のゆっくりと時間変化し、かつフォトンフラックスが十分に小さい非線形光学現象を実現し、その量子性を研究する事を研究目的としている。 今年度は、冷却原子を実現するための真空装置の設計と製作準備を実施した。超蛍光を実現するには高い光学濃度が必要となる。そこで真空装置を設計する際には二次元磁気光学トラップと呼ばれる楕円球状の原子雲を実現可能な手法の適用を想定した。また、冷却原子を用いた実験とガスセル中の加熱原子を用いた実験とでは互いに相補的な情報を得る事ができると期待される。そこで、今年度は以下に示す通りガスセルを用いた実験によって新しい研究成果が得られた。本研究対象の物理系であるルビジウム原子の非線形超蛍光現象に関して、放出される三色の輻射場に和周波発生分光法を適用した。その結果、すべての輻射場の時間波形を高い時間分解能で観測する事に成功し、ダイナミクスに関する情報を正確に得る事ができた。この結果は冷却原子の実験を実施する上で重要な指標となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では冷却ルビジウム原子の生成と性能評価までを実施する事を予定した。この点に関しては完了する事ができなかった。しかし、真空装置の設計に関しては、過去文献に基づいて十分な精査を行い、本研究に最適な配置を見出した上で実施する事ができた。また、ガスセルを用いた実験では、和周波発生を用いる事で非線形超蛍光現象のダイナミクスに関して詳細な知見を得る事ができた。この内容は当初は予定していなかったが、本研究を推進する上で重要な知見を得る事ができた。以上の通り、予想よりも進まなかった点と予想以上に進展した点がある。総合的に見て、順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は二次元磁気光学トラップを製作する事で楕円球形状の原子雲を生成し、その性能評価(光学濃度、冷却温度)を実施する。その上で、フェムト秒レーザーパルスを用いて励起する事で非線形超蛍光現象を実現する。放出される輻射場に対して、近赤外、可視域の単一光子検出器を用いる事で輻射場の量子光学的特性を研究する。以上の通り、研究の大きな方向性に関しては変更はない。一方、真空装置の設計に関して、以下の通り細かな変更点がある。当初は真空装置の内部に光キャビティを配置する事を予定していた。しかし、二次元磁気光学トラップを実現するためには、光学的なアクセスが良い真空セルを用いた方が良いと判断した。製作できる真空セルのサイズには上限があり、セル中に光キャビティを置く事はスペース上難しいと判断した。そこで、光キャビティはセルの外側に配置する設計としている。
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