研究課題/領域番号 |
23K22450
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補助金の研究課題番号 |
22H01179 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大久保 毅 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任准教授 (00514051)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2023年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | テンソルネットワーク / フラストレート磁性体 / スピン液体 / 計算物理 / 相転移 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、相互作用に競合が存在する磁性体、「フラストレート磁性体」に着目し、量子スピン液体に代表される非磁性状態、及び、それらに起因する相転移・伝導現象などを解明するための研究基盤を確立する。量子多体系の量子状態をテンソルのつながりで表現するテンソルネットワーク法を基盤とすることで、基底状態、励起状態、及び、有限温度状態を統一的な視点から記述し、数値計算と種々の実験との直接比較を通して、新奇物性の理解・提案につなげる。
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研究実績の概要 |
本年度の研究では、テンソルネットワーク法に基づくフラストレート磁性体の解析手法として、特に、有限温度状態、励起状態の計算手法の確立を目指し、(i)有限温度計算の高精度化と(ii)励起状態計算法の開発を行った。
(i)有限温度計算の高精度化においては、有限温度状態を記述する密度演算子をテンソルネットワークで表現するアプローチを検討した。密度演算子のテンソルネットワーク表現では、密度演算子を純粋状態とみなすpurificationに基づいたテンソルネットワーク表現と、密度行列を演算子として取り扱うテンソルネットワーク表現の双方を比較し、現状の最適化手法では、後者の方が低温状態をよく表現できることを確認した。また、後者の表現において、無限に大きな系での最適化を検討し、直接結合した最近接の二つのテンソルだけを考慮した最適化ではなく、複数テンソルのクラスターを用いた最適化により低温領域の計算精度が上がることも再確認できた。加えて、対象とするフラストレート磁性体に合わせて、密度行列を近似するテンソルネットワークの構造を変えることでも、虚時間発展の近似精度が向上することも明らかとなった。
(ii)励起状態計算法の開発では、基底状態に不純物テンソルを挿入する励起状態計算方法の指針を検討したが、与えられたテンソルネットワーク表現を最適化する手法について、複数の可能性を比較している段階に留まっており、さらなる検討と実問題での検証が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
有限温度計算の手法開発についてはおおむね順調に進展しているが、励起状態の計算方法については、良い最適化手法を構築できておらず、今後のさらなる研究が必要なため。
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今後の研究の推進方策 |
有限温度・基底状態計算については、開発した手法を用いて具体的なフラストレート磁性体への応用を進める。励起状態計算方法については、引き続き、手法開発を進める。
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