研究課題/領域番号 |
23K22469
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補助金の研究課題番号 |
22H01198 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
江角 直道 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (20321432)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
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キーワード | ダイバータ / 非接触プラズマ / 分子活性化再結合 / プラズマ-ガス相互作用 / 原子分子過程 / プラズマ / 核融合 / 原子分子反応過程 / 水素 / 窒素 / 高速度カメラ |
研究開始時の研究の概要 |
磁場閉じ込め核融合炉の実現において、プラズマとガスとの相互作用によりダイバータ領域に形成される非接触プラズマ挙動の理解とその制御方法の確立は重要な課題である。本研究では窒素-水素複合ガス入射による非接触プラズマの形成過程を明らかにするため、a) 窒素-水素複合ガス入射による非接触プラズマの時空間構造の精密観測、b)分子性ガスの介在するプラズマ再結合反応過程の理解、c)分子の振動・回転状態が非接触プラズマに与える影響の検証を行う。本研究の遂行により、窒素-水素ガス入射時の非接触プラズマ形成に関わる原子分子反応過程の詳細を明らかにし、ITER/原型炉への外挿性の高い物理モデルの構築にも寄与する。
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研究実績の概要 |
プラズマとガスとの相互作用によりダイバータ領域に形成される非接触プラズマの挙動の理解とその制御方法の確立は、磁場閉じ込め核融合炉の実現に不可欠なダイバータ板への熱粒子負荷低減、炉心プラズマとの整合性の観点において解決すべき重要な課題である。本研究では水素ガスおよび窒素ガスとプラズマの相互作用に焦点をあて、物理化学的な原子分子反応過程を詳細に調べ、それらが非接触プラズマ形成とその時空間構造に与える影響を明らかにすることを目的としている。令和5年度は、令和4年度に引き続き、GAMMA10/PDXダイバータ模擬モジュールにおいて、4分岐光学系アルバプリズムを組み込んだ高速度カメラを用いて、水素および窒素分子の関与する分子活性化再結合過程で重要なスペクトルである水素バルマーHα線とHβ線、窒素分子第1正帯, 窒素原子の波長の時空間分布の観測を行うとともに、水素イオンと電子の三体・放射再結合過程の寄与も確認するため、水素バルマーHγ線の時空間分布の観測も行った。窒素ガス入射位置によらず、上流側で窒素原子、下流側で窒素分子の割合が高い傾向にあるが、上流側から入射した場合の方が、上流側の窒素原子の割合がより高くなり、その発光分布はプラズマ軸上では弱く、その周辺で強くなる分布を示し、窒素分子活性化再結合の反応過程に強い空間分布があることを示唆する結果を得た。イオン温度計測に用いられる静電プローブであるイオンセンシティブプローブの詳細な解析から、窒素分子活性化再結合過程において生成されるイオン種を推定し、ガス入射後のガス圧力変化に伴い、異なる反応生成物が発生している可能性を明らかにした。また、水素ガス圧力を通常の実験の倍程度の5Pa程度まで上昇させた実験では、水素分子活性化再結合からの発光とは異なり、高励起準位からの発光が強くなる現象が観測された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度(令和4年度)に導入した4波長の空間分布を同時に計測可能な光学系(4分岐光学系)を組み込んだ高速度カメラを用いて、水素-窒素ガス重畳入射による非接触プラズマの時空間構造変化を高時空間分解能観測結果、及び、多点同時分光計測、イオンセンシティブプローブ計測結果の詳細な解析と粒子バランスに基づく考察から、窒素分子の介在するプラズマ-ガス反応過程のモデル化において非常に重要となる反応生成物に関して、NH系イオン発生タイミングやガス圧力の関係を明らかにした。また、分光計測から反応過程の理解に資する、水素・窒素分子の振動・回転温度の評価を行うとともに、ガス入射方法の違いによる非接触プラズマの時空間分布の変化を観測し、ターゲット構造やガス入射位置の影響について系統的な実験を行った。二分岐光学系を備えた光電子増倍管による水素バルマー線及び水素分子ファルカー帯の発光を高速サンプリングし、再結合過程に関連する揺動現象の観測も開始した。これら実験結果と相補的に比較しながら窒素-水素混合状態における非接触プラズマ形成過程の理解を進めるために、3次元流体+中性粒子コードEMC3-EIRENEによる本実験配位の再現にも取り組み、初期的な結果を得た。これらの成果は査読付き論文、国内外の会合にて発表した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に引き続き、GAMMA10/PDXダイバータ模擬モジュールにおいて、4分岐光学系を組み込んだ高速度カメラを用いて、水素-窒素ガス重畳入射による非接触プラズマの時空間構造変化を高時空間分解能で観測し、窒素、水素ガス入射時のV字ターゲット板角度、ガス導入位置やガス入射タイミングの影響の調査を行う。同時に、反応生成物や分子性ガスからの発光を光電子増倍管を用いて高速かつ高感度に観測することで、 原子分子反応過程のより詳細な理解を進める。その際、非接触プラズマ形成におけるターゲット板からの反射やリサイクリング粒子の影響を明らかにするため、ダイバータ模擬モジュール内のV字ターゲットの開口角度を調整しながら窒素ガス入射とリサイクリング水素との反応過程を詳細に調査し、ターゲット近傍のリサイクリング水素に対する窒素ガス入射による重畳効果の検証を行う。また、ダイバータ模擬領域へ流入するプラズマのパラメータ(特にイオン温度、電子温度)に対する非接触プラズマ生成への影響についても系統的に調べる。昨年度から準備を開始したEMC3-EIRENEコードによるGAMMA10/PDXダイバータ模擬プラズマのシミュレーションについて、実験と同等のパラメータでの計算ができるよう設定条件の最適化を行う。
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