研究課題/領域番号 |
23K22493
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補助金の研究課題番号 |
22H01222 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 明治学院大学 (2024) 同志社大学 (2022-2023) |
研究代表者 |
加堂 大輔 明治学院大学, 情報数理学部, 准教授 (90447219)
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研究分担者 |
福間 将文 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10252529)
武田 真滋 金沢大学, 数物科学系, 教授 (60577881)
宗 博人 明治学院大学, 情報数理学部, 研究員 (20196992)
佐藤 勇貴 福井大学, 学術研究院工学系部門, 助教 (70714161)
本多 正純 国立研究開発法人理化学研究所, 数理創造プログラム, 上級研究員 (00784927)
松本 信行 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (30909172)
浮田 尚哉 筑波大学, 数理物質系, 研究員 (50422192)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | テンソルネットワーク / 格子場の理論 / テンソル繰り込み群 / 場の量子論 / 確率過程量子化 / エンタングルメント / テンソルネットワーク法 / 量子もつれ / 量子レッジェ計算 / エンタングルメントエントロピー / ランジェバン・シミュレーション / グラディエントフロー法 / ゲージ理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目標は、テンソルネットワーク法と呼ばれる新しい数値計算手法の開発とそれを使った数値計算によって、場と時空の性質を解明し、初期宇宙の進化や物質の根源に関する素粒子物理の諸問題に新たな知見を与えることである。本研究の進展により、難問だった符号問題が解決され、QCDの相構造や状態方程式の理解、数値的手法による素粒子新理論の探求、量子重力理論や超弦理論の数値計算による宇宙創成の機構やブラックホールの内部構造の解明が行える。また、テンソルネットワーク法により、物理学、数学、生物学、情報科学といった多彩な領域をつなぐ学際領域の創出を行う。
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研究実績の概要 |
期間中に、2次元のローレンツ型量子レッジェ計算の模型において、テンソル繰り込み群計算を実現した。結果として、単体分割の分割数が十分大きいとき、理論的困難として指摘されていたピンチ幾何配位の寄与が抑制されてることを示した。これにより、この模型から連続極限を取ることで望ましい量子重力の模型が得られうることを示した。また、量子もつれと関する研究として、エンタングルメントエントロピー(EE)をテンソル繰り込み群法で数値計算するための基礎理論の研究を進め、任意の部分系のサイズに対して、EEを計算する数値計算アルゴリズムを開発した。これを使って、1+1次元のIsing模型において数値計算を実現し、期待通りのEEの振る舞いや中心電荷が得られることを示した。加えて、テンソル繰り込み群の最近の進展に関して包括的なレビュー論文も発表した。 ウェスズミノ模型に関する超対称グラディエントフロー法における紫外有限性の証明や、N=1SQCD理論における超フロー法の摂動1次での紫外有限性の証明も行い、それぞれ論文として発表した。また、確率過程量子化法に関する研究も進め、離散時間に関する連続極限を取らずに成り立つ確率過程量子化法の新たな基礎理論を確立した。 得られた成果は、京大基研「場の理論と弦理論2022」の基調講演、Numstring2022の集中講義、KEK Theory Workshop, 「離散的手法による場と時空のダイナミクス 2023」、および、東大駒場の研究会「場の理論への非摂動的アプローチ」での招待講演等で発表した。さらに、同研究課題について、サイエンス社「数理科学」2023年1月号で「符号問題という幻想」、同2023年10月号で「場の理論とテンソルネットワーク - 特集:素粒子物理と物性物理」という内容で一般向けの記事も執筆した
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テンソル繰り込み群法に関する研究について、量子重力の模型である量子レッジェ計算の研究が進み、論文として成果を発表できた。ただし、量子コンピュータへの応用と高次元アルゴリズムに関する研究は予定していたより遅い進展である。一方、当初計画していなかったエンタングルメントエントロピーに関するテンソル繰り込み群を使った研究が進み、また、関連研究として、グラディエントフロー法や確率過程量子化についても研究が進んだことで、おおむね順調と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、高次元でのテンソル繰り込み群法のアルゴリズムの改良・開発を中心として研究を進める。特に、最近登場したMDTRG法を4次元に適用する方法論を中心に研究し、手法を並列化された計算プログラムとして実装した上で、4次元系の研究を進める。また、本年度の研究で考案したエンタングルメントエントロピーのテンソル繰り込み群計算法の基礎理論を高次元化する。そして、テンソルネットワーク法を使った量子アルゴリズムについては、フェルミオン系のアルゴリズムの量子見さんへの実装を行う。 加えて、関連研究である確率過程量子化についても研究を進め、テンソル繰り込み群とのハイブリッド化した場の量子論の新しい解析手法の確立を目指す。
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