| 研究課題/領域番号 |
23K22508
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| 補助金の研究課題番号 |
22H01237 (2022-2023)
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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| 研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
河村 成肇 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特別教授 (60311338)
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| 研究分担者 |
神田 聡太郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (10800485)
福山 武志 大阪大学, 核物理研究センター, 協同研究員 (40167622)
上坂 優一 獨協医科大学, 医学部, 助教 (60826618)
的場 史朗 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 専門技師 (80535782)
岩井 遼斗 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 学振特別研究員 (30967592)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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| キーワード | ミュオン / ミュオン稀崩壊 / 新物理探索 / レプトン数非保存 / レプトン比保存 |
| 研究開始時の研究の概要 |
現在、小林・益川の理論を包含する標準模型がニュートリノ振動を除くほぼ全ての物理現象を矛盾なく説明しているが、より大きい理論(標準模型を超えた新物理)の低エネルギーでの発現にすぎないという見方が支配的となっている。 ミュオニウム-反ミュオニウム振動は原子の波動関数・原子核の構造に影響されず、新物理の特質をきれいに観測できるという点で独自の価値を持つ。 本研究は、海外施設での先行実験とは異なる全く新しい手法により低バックグラウンドを実現し、従来の方法では達成困難と考えられてきた感度の向上を異なる方法論で実現し、新物理の発見を目指す。
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| 研究実績の概要 |
本研究の究極の目的は、ミュオニウム(Mu)-反ミュオニウム(antiMu)振動の観測による「標準模型を超えた新物理」の発見である。Muはレプトン・フレーバのみの量子数を持つ特異な束縛系で、レプトン・フレーバー非保存の新物理による過程が存在すればMu-antiMu 振動を引き起こすことが理論的に予言されている。また、Mu-antiMu振動は原子の波動関数・原子核の構造に影響されず、新物理の特質をきれいに観測できるという点で独自の価値を持つ。 海外の先行研究では通常のミュオン崩壊に伴うバックグラウンドに由来する系統誤差が統計誤差を上回り、1990年代の実験以降、実験感度の向上が望めない状況が続いていた。本研究では、J-PARCなどで開発されているMuの乖離用大強度レーザーをantiMuの乖離に利用し、単離した負ミュオンを分光する手法の開発を目指している。 先行した原理実証研究では、Muの生成時に同時に生成されるMu-(負水素イオンH-に類する正ミュオン1つと電子2つの系)が実験上のバックグラウンドとなることが示された。antiMu乖離用レーザーの照射時間をずらすことで、Mu-の影響を除くことはできるが、実験上の制約となりえる。そこで、antiMuに由来する負ミュオンを確実に同定するため、負ミュオンが発する特性X線の検出を検出器アレイに組み込む必要がある。 本年度は、 昨年度に引き続き、単離後の負ミュオンを検出するマイクロチャンネルプレート(MCP)の開発を行うとともに、これまでの研究成果の発表を国際会議等で行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CsIコートを施したMCPはantiMu中の負ミュオンを同定するための検出器アレイを構成する、中心的な検出器である。そのゲインやミュオン入射時のレスポンスの確認を、J-PARCミュオン実験施設の負ミュオンビームを用い、Mu-antiMu実験を模擬するかたちで行った。現在のJ-PARCミュオン実験施設ではMCP表面の350nmCsIコート層に停止するほど低エネルギーのミュオンビームは得られないため、CsI層の基部を構成する鉛ガラスに停止したミュオンに由来するX線の検出に成功した。 解析の結果、鉛ガラスの主成分であるケイ素と酸素に由来したX線は観測されたが、鉛だけは観測されず、原因追及のため再実験を計画している。 また、J-PARCミュオン実験施設で開発された超低エネルギー正ミュオンの照射も合わせて予定しており、CsIコートの施されていないMCPとゲインやレスポンスの違いを測定する予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
来年度の再実験により、CsIコートのMCPを用いてantiMuが生成された場合に生じる負ミュオンの観測を行う手法の有効性を確定させる予定である。これにより、測定対象となるX線のエネルギーが決まり、X線検出器の仕様なども決まる。物理測定に向け、検出器アレイの設計を進めることが可能となる。 来年度以降、物理測定に向け、更なる外部資金の獲得と共同研究者の開拓を行う予定である。
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