研究課題/領域番号 |
23K22511
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補助金の研究課題番号 |
22H01240 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
満汐 孝治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (10710840)
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研究分担者 |
久間 晋 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (50600045)
小林 慶規 東京学芸大学, 教育学部, 研究員 (90357012)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
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キーワード | ポジトロニウム / 液体ヘリウム / ナノバブル / キャビテーション / レーザー分光 / 超音波キャビテーション / バブル / 量子液体 / 超音波 |
研究開始時の研究の概要 |
電子とその反粒子である陽電子から成るポジトロニウム(Ps)は、レプトンのみから構成される最もシンプルな束縛系の一つであり、新物理の探索や精緻な理論の検証に最適な対象である。しかしながら、精密測定などの多彩な研究を展開する上で、Ps気体のもつ高い温度状態が大きな課題となっている。本研究では、新しいPs冷却手法の開拓を目的として、液体He中でのPsバブルの生成・制御技術を開発する。Psバブルの素励起・エネルギー散逸過程や超音波に対する応答を詳細に調べ、これらを駆使した冷却機構を実証する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、液体ヘリウム中でポジトロニウム(電子と陽電子の束縛状態)のバブルを作り出し、液中圧力・温度の制御によりバブルの冷却を実現することを目的とする。ポジトロニウムバブルを生成・観測するための実験装置を開発し、消滅ガンマ線計測とレーザー分光を併用して、その性質や液中でのエネルギー散逸過程を明らかにする。2022年度は装置開発を中心に研究活動を行い、以下の実績が得られた。 (1)液体ヘリウム標的中に陽電子ビームを入射するためには、微小な薄膜真空窓を通す必要があり、小ビーム径(1 mm以下)の高輝度陽電子ビームが要求される。このために、産業技術総合研究所で供給される加速器ベースの高強度陽電子ビームを、半導体減速材とペニングトラップによって捕捉・冷却し、高輝度ビームとして引き出す新しい技術を開発した。従来法と比べて5倍もの効率で高輝度ビームの発生が可能となり、本技術の詳細を纏めて論文発表した。 (2)液体ヘリウム標的を長期間保存可能なバスクライオスタットの開発を行った。4 K冷凍機をヘリウムバスにサーマルアンカーを介して連結して極低温にまで冷却することで、貴重な液体ヘリウムを長期間保持できる機構とした。また、陽電子ビームの導入窓や液中パラメーターの制御機構を備えたサンプルバスを設計し、当該年度内にバスクライオスタット一式が納入された。 (3)過去の陽電子消滅分光の実験データをもとに、物質中での(一重項状態)ポジトロニウムのエネルギー散逸過程について考察を行った。エネルギー散逸にかかる有用な知見が得られ、その詳細を纏めて論文発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
半導体減速材とぺニングトラップを用いた高輝度陽電子ビームの高効率発生技術を開発するとともに、液体ヘリウム標的保存用のバスクライオスタットの設計・製作を行い、研究に必要な実験装置を整備した。一方で、年度途中から研究代表者が本部組織に出向した関係で、当所の計画通りに液体ヘリウム標的への陽電子入射実験を実施することができなった。このため、全体として研究がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に整備した液体ヘリウムバスクライオスタットを用いて、液体ヘリウム標的中に高輝度陽電子ビームを導入し、ポジトロニウムバブルを生成・制御する実験を進める。このために、(1)陽電子ビームを導入するための半導体薄膜窓の選定と実装試験、(2)液中圧力制御のための超音波トランスデューサーの開発、(3)ポジトロニウムバブルを観測するための消滅ガンマ線計測システムの整備等を行う。これらの開発により、課題遂行に必要な実験システムを立ち上げ、液中圧力や温度をパラメーターとして、バブルの諸性質を明らかにする予定である。
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