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ジルコニウム96を用いたニュートリノを伴う二重ベータ崩壊事象の観測と半減期の測定

研究課題

研究課題/領域番号 23K22514
補助金の研究課題番号 22H01243 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
研究機関宮城教育大学

研究代表者

福田 善之  宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40272520)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
キーワードニュートリノ / 2重ベータ崩壊 / 液体シンチレーター / 極低放射能環境 / ジルコニウム / 二重ベータ崩壊 / ジルコニウム96 / 半減期 / バックグラウンド除去
研究開始時の研究の概要

本研究は、900kgのZr-96が溶解する液体シンチレータを用いて、ニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊の半減期が10の27乗年以上の観測により0.01eV領域のニュートリノ質量を探索するZICOSの実証実験として、ICP質量分析器等によるスクリーニング計測から選定された極低放射能材料を用いた2nu-ZICOS検出器を製作し、極低放射線環境下においてU/Th由来の背景事象をチェレンコフ光の位相幾何学的情報を用いて効率的に除去することにより、Zr-96のニュートリノを伴う二重ベータ崩壊事象を観測し、半減期が2.4×10の19乗年と誤差範囲内で一致するかを明らかにする。

研究実績の概要

令和4年度では、まずICP質量分析により2nu-ZICOS検出器に使用する高純度石英ガラスGE214中のTh量が15ng/g、U量が29ng/gという結果を得た。これにより、半径8cmの高純度石英製フラスコからの1年間当たりに発生するTl-208崩壊数は1,000,000事象、Bi-214の崩壊数は6,000,000事象が予想された。それらの背景事象の観測を避けるために、各ベータ崩壊の電子を観測しないようにフラスコ内にアニソールに耐性を有するバックを設置することを考案した。シミュレーションによると、検出器の中心から5cmの内側では1/100以上に背景事象を除去できることがわかった。このバック内に1LのZICOS用液体シンチレーターを格納すると、その中には100gのZr(iPrac)4が溶解するため、約0.4gのZr-96原子核が存在することから、年間約100事象の信号が期待される。しかし、2.6MeV以下では信号に対して2桁以上の背景事象が依然として存在するため、2.6MeV以上のエネルギー領域に限定した観測にするとS/N比が1程度となり、年間数10事象の二重ベータ崩壊事象の観測が期待されることがわかった。同様に、Bi-214事象も2MeV以上であれば容易に除去可能であり、更に高純度石英ガラス中のK含有量が180ng/gであるもののK-40の自然存在比から年間約100,000事象が発生するが、エネルギーが1MeV以上の事象は存在しないこともわかった。一方、液体シンチレーターを調製するために必要な200gのZr(iPrac)4を合成するため、共同研究者が業者に合成手法を指南したが、原料の調達に時間が掛かったため年度内に合成は完了しなかった。また、観測に使用する光電子増倍管H3378-50を8本購入してゲインを調整し、次年度に組み立てる2nu-ZICOS検出器の準備を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初、2022年度内に200gのZr(iPrac)4の合成を完了させる予定であったが、業者が原料である99.99%の四塩化ジルコニウムの調達に想定以上の時間が掛かり、それにより合成作業の開始も遅れが生じたため、最終的に合成が完了した時期が次年度の5月となったため。

今後の研究の推進方策

クラス1000のクリーンブース内で、合成した200gのZr(iPrac)4を用いて2LのZICOS用液体シンチレーターを調製する。また、光電子増倍管を設置するための治具の製作と環境ガンマ線を遮蔽するための鉛ブロック・無酸素銅からなる遮蔽構造体の設計と製作、ならびに液体シンチレーターを格納するETFE製バックを製作し、試験的に2nu-ZICOS検出器の組立てを行う計画である。一方、光電子増倍管H3378-50のパルス波形をCAEN製デジタイザV1742(5GHz)を用いてチェレンコフ光の有無を判断するための波形テンプレートの作成や追加購入するH3378-50のゲイン調整、更にエネルギーおよび事象の発生点を再構成するためのキャリブレーション手法を開発する計画である。

報告書

(1件)
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Reduction of Tl-208 background for Zr-96 neutrinoless double beta decay experiment using topological information of Cherenkov light2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki FUKUDA, Shigetaka MORIYAMA, Katsuki HIRAIDE, Izumi OGAWA, Takahiro GUNJI, Ryohei HAYAMI, Satoru TSUKADA and Shunsuke KUROSAWA
    • 雑誌名

      Proceedingss of SCIENCE

      巻: PoS(ICHEP2022)600 ページ: 1-6

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Direct measurement of topological information for Cherenkov lights using HUNI-ZICOS detector2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki FUKUDA, Tomohito SHIMIZU, Shigetaka MORIYAMA, Katsuki HIRAIDE, Izumi OGAWA,Takahiro GUNJI, Ryohei HAYAMI, Satoru TSUKADA, Shunsuke KUROSAWA
    • 雑誌名

      宮城教育大学紀要

      巻: 56 ページ: 205-214

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] ジルコニウム96を用いたニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊事象の探索XX~ニュートリノの放出を伴う二重ベータ崩壊事象観測実験の準備状況~2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki FUKUDA, Shigetaka MORIYAMA, Katsuki HIRAIDE, Izumi OGAWA, Takahiro GUNJI and Shunsuke KUROSAWA
    • 学会等名
      日本物理学会 第77回年次大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Reduction of Tl-208 background for Zr-96 neutrinoless double beta decay experiment using topological information of Cherenkov light2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki FUKUDA, Shigetaka MORIYAMA, Katsuki HIRAIDE, Izumi OGAWA, Takahiro GUNJI, Ryohei HAYAMI, Satoru TSUKADA and Shunsuke KUROSAWA
    • 学会等名
      41st International Conference on High Energy Physics ICHEP2022
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ジルコニウム96を用いたニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊事象の探索XIX~ベータ線とガンマ線によるチェレンコフ光の位相幾何学情報の測定~2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki FUKUDA, Shigetaka MORIYAMA, Katsuki HIRAIDE, Izumi OGAWA, Takahiro GUNJI, Ryohei HAYAMI, Satoru TSUKADA and Shunsuke KUROSAWA
    • 学会等名
      日本物理学会 2022年秋季大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] ICHEP2022 発表資料

    • URL

      http://masamune.miyakyo-u.ac.jp/gakkai/ICHEP2022-fukuda.pdf

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] 日本物理学会 2022年秋季大会の発表資料

    • URL

      http://masamune.miyakyo-u.ac.jp/gakkai/JPS2022-fall-web.pdf

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] 日本物理学会 第77回年次大会の発表資料

    • URL

      http://masamune.miyakyo-u.ac.jp/gakkai/JPS2023-spring-web.pdf

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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