研究課題/領域番号 |
23K22517
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補助金の研究課題番号 |
22H01246 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安東 正樹 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90313197)
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研究分担者 |
横澤 孝章 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (00755928)
宗宮 健太郎 東京工業大学, 理学院, 准教授 (10582603)
三代木 伸二 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (20302680)
鷲見 貴生 国立天文台, 重力波プロジェクト, 特任助教 (30822283)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2026年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 重力波 / 重力勾配雑音 / ねじれ振り子 / レーザー干渉計 / 低温 / 重力波望遠鏡 / 低温モノリシック干渉計 / 防振 / 低温干渉計 |
研究開始時の研究の概要 |
重力波望遠鏡において,レーザー干渉計を構成する鏡の周辺での密度変化によって生じる重力勾配変動は重要な雑音源となっている。現在の重力波望遠鏡では非定常雑音となり得るとともに,将来の第3世代重力波望遠鏡においては,低周波数の感度を制限する要因となることが想定されている.本研究では,世界最高感度の重力勾配計を用いて,地面振動や大気揺らぎに起因する重力勾配変動を連続観測し,その低減手法を確立させる.
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研究実績の概要 |
本研究では, (1) 現在稼働している重力波望遠鏡KAGRAにおける非定常な重力勾配雑音の除去をおこなうこと, (2) 将来の重力波望遠鏡のための重力勾配雑音の低減手法の研究を推進すること,を目的とする.そのために, 0.1Hz付近という低いの周波数帯で,地面振動や大気揺らぎに起因する重力勾配変動を観測する,重力勾配計の開発を進めた.本年度は,シリコンモノリシック干渉計の開発と,新たな懸架装置の設計・製作を行った. シリコンモノリシック干渉計は,熱雑音を避けるために低温下で動作し,かつ,外乱振動に対して強固であるという要求から本研究で必須の技術になっている.本年度は,その低温下での動作の実現と,光学特性と雑音源の評価を行った.その結果,0.1 Hzの周波数帯において 3.6x10^(-14) [m/sqrt(Hz)]という感度を達成した.これまでに全ての光学系を接着したモノリシック光学系を低温下で動作させた例はなく,本成果は世界初のものである.また感度を制限している雑音についても調査を行い,広い周波数帯に渡り地面振動が制限しており,レーザーの強度揺らぎが将来問題となることがわかった.今後は防振系の改良やレーザーの強度安定化を行い,感度を向上する予定である. それと並行して,低温ねじれ振り子の開発に向けて,まずは常温下でねじれ振り子を開発し,設計の問題点の洗い出しと共振器制御の実証の研究を進めた.ねじれ振り子の両端に取り付けた2本の光共振器の長さ変動の差からねじれ振り子の回転を測定する光共振器の構成方法,中段マスと試験マスの形状,懸架ワイヤの本数など,様々な設計を検討し,並進地面振動からのカップリング雑音が小さくなるように設計を行った.縦防振を取り入れた懸架台,中段マス,試験マス,光学ベンチの部品の設計を行い,製作を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
世界で初めてシリコン製の低温モノリシック干渉計の動作を実現するとともに,低周波数帯での高感度の実現,雑音源の評価といった,一連の研究を達成した.また,低温懸架系の開発では,これまでの知見を集約する設計と,組み上げを実現した.
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今後の研究の推進方策 |
低温下でねじれ振り子装置を動作させ,雑音源の特定を低減を進めるとともに,重力勾配計雑音の観測と評価を行う.
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