研究課題/領域番号 |
23K22523
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補助金の研究課題番号 |
22H01252 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田中 雅士 早稲田大学, 理工学術院, 主任研究員(研究院准教授) (30545497)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2022年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 暗黒物質 / 宇宙反物質 / 液体アルゴン検出器 / 反重陽子 / 宇宙反粒子 / 大気球実験 |
研究開始時の研究の概要 |
物質優勢の宇宙において、宇宙空間より地球に到来する宇宙線はその大部分が陽子などの物質粒子だが、ごくまれに反陽子などの反粒子が含まれている。この宇宙反粒子線を検出しその起源を理解する試みは素粒子・宇宙物理学にとっての大きな課題の一つである。特に質量より小さいエネルギーを持つ反重陽子線は、暗黒物質等の未知の反粒子源を探索するために有利となる。申請者は近年発展の著しい液体アルゴン検出器の優れた飛跡・エネルギー再構成能力を生かして宇宙反粒子線識別を行う手法を新たに提案する。本研究は、地上において宇宙線や加速器ビーム試験等を通じて反粒子識別能力の原理検証を行うことを目的とする。
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研究実績の概要 |
物質優勢の宇宙において、宇宙空間より地球に到来する宇宙線はその大部分が陽子などの物質粒子だが、ごくまれに反陽子などの反粒子が含まれている。この宇宙反粒子線を検出しその起源を理解する試みは素粒子・宇宙物理学にとっての大きな課題の一つである。特に質量より小さいエネルギーを持つ反重陽子線は、暗黒物質等の未知の反粒子源を探索するために有利となる。宇宙反粒子測定はBESS気球実験(超伝導磁石)およびAMS-02衛星実験(永久磁石)のように磁場中で飛跡を再構成することにより粒子電荷を特定する手法を用いて行われてきたが、申請者は近年発展の著しい液体アルゴン検出器の優れた飛跡・エネルギー再構成能力を生かして宇宙反粒子線識別を行う手法を新たに提案する。本研究は、地上において宇宙線や加速器ビーム試験等を通じて反粒子識別能力の原理検証を行い、宇宙反粒子線探索気球実験に向け最適化された検出器の詳細設計を完了させることを目的とする。具体的には研究期間内に以下の3つの課題①②③を段階的に進めることにより、2024年度までに原理検証と詳細設計を完了させる。 ①液体アルゴン検出器の製作とToFとの宇宙線ミュー粒子を用いた統合試験 ②加速器ビーム照射による液体アルゴン検出器の反粒子応答試験 ③気球対応液体アルゴン検出器の詳細設計 2022年度は計画通り①30cm角の液体アルゴン検出器の設計製作を行い、2022年10月に早稲田大学構内において宇宙線ミュー粒子を用いた性能試験を行った。②2023年1月に茨城県東海村J-PARC加速器施設に、反粒子ビームの液体アルゴン検出器照射試験を提案し、審査のうえ承認された(T98実験)。③2022年11月にJAXA大樹航空宇宙実験場における小規模プロトタイプ液体アルゴン検出器を用いた大気球実験を提案し、審査の上承認された(B23-06実験)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、地上において宇宙線や加速器ビーム試験等を通じて反粒子識別能力の原理検証を行い、宇宙反粒子線探索気球実験に向け最適化された検出器の詳細設計を完了させることを目的としている。具体的には研究期間内に以下の3つの課題①②③を段階的に進めることにより、2024年度までに原理検証と詳細設計を完了させることにある。 ①液体アルゴン検出器の製作とToFとの宇宙線ミュー粒子を用いた統合試験 ②加速器ビーム照射による液体アルゴン検出器の反粒子応答試験 ③気球対応液体アルゴン検出器の詳細設計
①については当初計画通り検出器の製作と早稲田大学構内における性能試験を完了した。②に関しても当初計画通り加速器ビーム照射試験に向けてJ-PARC施設に実験提案を行い承認された。また、③に関しては、JAXA大樹町における大気球実験が承認されたことにより、気球対応液体アルゴン検出器詳細設計に向けて十分なデータを取得できる見込みがついた。
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今後の研究の推進方策 |
今後については、引き続きJ-PARCにおける反粒子ビーム照射試験(T98試験)および、JAXA大樹町における大気球実験(B23-06)を遂行し、実験結果をもとに、気球対応液体アルゴン検出器の詳細設計を行う。
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