研究課題/領域番号 |
23K22525
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補助金の研究課題番号 |
22H01254 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
加賀谷 美佳 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (10783467)
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研究分担者 |
武田 彩希 宮崎大学, 工学部, 准教授 (40736667)
片桐 秀明 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 准教授 (50402764)
島添 健次 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (70589340)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2026年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 電子飛跡検出型コンプトンカメラ / SOIピクセル半導体検出器 / MeVガンマ線観測 / MeVガンマ線 / コンプトンカメラ / Sub-MeVガンマ線 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、511 keV ラインガンマ線観測に特化した電子飛跡検出型コンプトンカメラの開発を目的とし、コンプトンカメラの散乱部として搭載するSOIピクセル半導体検出器の開発および評価を行う。コンプトン散乱に起因する反跳電子の飛跡を3次元的に捉えることが重要であるため、素子の高時間分解能化により、時間差を利用して電子の反跳方向を推定できるかどうかをプロトタイプによる実測によって評価する。
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研究実績の概要 |
本研究では、SOIピクセル半導体検出器を用いて、sub-MeVからMeV領域のラインガンマ線観測に特化した電子飛跡検出型コンプトンカメラを開発し、暗黒物質探査や超新星爆発による元素合成メカニズムの解明など、sub-MeV・MeVガンマ線領域における高エネルギー天体現象の解明を目指す。このエネルギー領域での高感度観測を達成するためには、高い精度でのラインガンマ線の検出とバックグラウンドの低減が必要である。そのためには、散乱部の半導体検出器においてコンプトン散乱時に弾き飛ばされる電子を3次元的に測定し、反跳方向を精度よく推定することが重要となる。電子の反跳方向を3次元的に測定するために、本研究では時間情報を利用することを検討している。高い時間分解能(100ps以下)の素子を開発することができれば、数μm程度の位置分解能を達成することがきるため、これを実現できるように素子の開発を行っている。 R4年度に予定されていた他機関と合同の素子製作について、R5年度に延期になったが、無事R5年度以内に行うことができ、年度末に素子が納品された。R5年度の前半ではR4年度に引き続き、素子の回路設計やレイアウト制作を行い、7月にデータの提出が完了した。その後、素子の評価用のボードの準備や測定用のファームウェア、ソフトウェアの開発に着手した。また、吸収体に用いるCdZnTe半導体検出器の基礎性能を評価に向けて測定セットアップを構築している。今後、評価で得られた結果を用いて、シミュレーションによるコンプトンカメラとしての性能の予測を行い、観測用の装置の構想を検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
R4年度での素子製作の予定がずれたため、全体の評価スケジュールがその分遅れている。しかし、研究期間の間で予定している素子の製作(今回のものも含めて2回)が完了できれば、研究期間後でも素子の評価は可能であるため、最低でも素子の製作を完了させることを目標とする。
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今後の研究の推進方策 |
R4年度に予定されていた他機関と合同の素子製作について、R5年度に延期になったが、無事R5年度以内に行うことができ、年度末に素子が納品された。今後は素子の評価を進めていく。エネルギー分解能や空乏化の確認などの基礎性能の評価の他に、今回の素子に導入した時間情報を取得する部分が機能しているかどうか、また、各ピクセル間においてどの程度の時間分解能を達成できているかを評価する。これらの評価が完了したら、時間情報を含めて電子の反跳方向を推定するための解析アルゴリズムの作成とシミュレーションとの比較による性能の検証を行う。次回の素子製作の機会がおそらくR7年度になる見込みであることから、R6年度内で素子の評価を進め、R7年度での素子製作に向けた設計の方針を決定する。
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