研究課題/領域番号 |
23K22526
|
補助金の研究課題番号 |
22H01255 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
岸下 徹一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80789165)
|
研究分担者 |
小杉 亮治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 上級主任研究員 (10356991)
深尾 祥紀 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80443018)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
|
キーワード | 半導体検出器 / SiC / ASIC / ミューオン・電子転換過程 / ワイドギャップ半導体 / ピクセル検出器 / 荷電粒子検出器 / シリコンカーバイド / ダイヤモンド / 放射線耐性 / 検出器 |
研究開始時の研究の概要 |
素粒子標準理論を超えた新しい物理を探索するプローブとして、荷電レプトンにおけるフレーバー保存の破れの探索は重要な研究テーマである。中でも原子核中でのミューオン電子転換過程を探索するCOMET実験は、J-PARCの大強度陽子ビームを利用して過去最高感度での観測を目標とする野心的な実験である。この実験感度のカギは、シグナル検出中に、背景事象となるパルスバンチ外での陽子漏れを、高放射線耐性を有する検出器で測定することにある。本研究では高い放射線耐性を有するとされるシリコンカーバイドを用いてCOMETの高放射線環境下において、1個の陽子を個別に検出するエクスティンクションモニターを開発する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、COMET実験でのエクスティンクションモニターへの応用を目的とした、ワイドギャップ半導体を用いた荷電粒子検出器の開発を行う。令和5年度で は、主にセンサーからの信号を処理するためフロントエンドASICの開発を行なった。COMET実験では、パルス化された陽子ビームが直接センサー入射するため、エクスティンクションモニターでパルス時間から漏れ出した陽子を検出するためには、パルス時間内は信号飽和による不感時間をなくすために信号処理回路をオフし、パルス時間外は信号処理回路をオンするといった特殊なゲート機構が必要である。連続時間のアナログ信号処理回路においてそのようなゲート機構はこれまでに実績がなく、本研究で初めてそのゲート機構を含めたASICを開発した。ASICは、放射線耐性の高い65 nm CMOSプロセスを用いて設計し、今年度は2回の試作を行った。最初の試作チップの評価試験では、一部不具合が存在するものの、回路自体をゲート信号によってオン・オフすることで、回路オフ時に大量の電流信号がセンサーで発生したような場合であっても、回路オンと同時に微小な電荷信号に対応できることを実証した。この結果は物理学会にて報告している。現在2回目のチップで不具合箇所を修正したものを製作しており、その評価を開始した段階である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度の研究において、計画通りにエレクトロニクスの設計開発を進めることができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
令和6年度の研究では、エレクトロニクス単体の動作試験を完了させたのち、センサーと接合してエクスティンクションモニターのプロトタイプの完成までを目標とする。
|