研究課題/領域番号 |
23K22529
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補助金の研究課題番号 |
22H01258 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
橋本 拓也 筑波大学, 数理物質系, 助教 (40870887)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 天文学 / 銀河形成進化 / 遠方銀河 / 宇宙再電離 / JWST / ALMA / 銀河形成・進化 / 赤外線天文学 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙再電離時代の星形成銀河の性質理解を目的として, ALMAおよびJWSTによってもたらされる遠方銀河の多波長データを構築し, 宇宙論流体シミュレーションも用いて徹底的に調べる。本サンプルは, [OIII]88um輝線を用いて選ばれた13天体であり, 再電離期で最も詳しい情報が分かる貴重なサンプルである。本研究では, 遠方銀河の星種族を撮像データと面分光データを組み合わせて正確に調べ, 遠方銀河に隠された成熟した星の痕跡を探す。また重元素量や電離パラメータなど基本的な星間媒質の特徴量を測定し, [OIII]88um銀河を銀河進化および宇宙再電離研究の文脈に位置付けることを目指す。
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研究実績の概要 |
予定していたJWSTの第一期観測が全て実行された。国内外の共同研究者と共に、JWSTで取得したデータの解析を行なった。公式の解析ソフトウェアではデータの質が不十分であるため、当研究グループは独自に改良を施した。具体的には、波長依存するバックグラウンドノイズの除去等である。これによって、より質の高いデータを得ることに成功した。 文献で出版済みのALMAのデータについても再解析を行い、より精度の高い結果を得た。例えば、過去の研究では輝線スペクトルの一部分だけを用いてフラックスを測定している場合や、全体を用いている場合もあり、その手法がまちまちであった。また、ALMAに関連して、一部の天体に関しては追加のデータをAL公募観測に提案した。 上記のJWSTとALMAのデータ及び、研究グループの所有する宇宙論シミュレーションの結果を活用して、サイエンスを着実に進めた。出版論文のうち3件がプレスリリースされ、そのうち1件は日本天文学会での記者会見にも選出された。記者会見した研究の具体的な内容は、赤方偏移7.9にある最遠方の原始銀河団の中でも特に天体が密集しているコア領域に焦点を当て、銀河の詳細な性質を調べた。JWSTによる輝線検出及び正確な距離の測定を行い、ALMAによる宇宙塵の放射の検出に成功し、さらにシミュレーションとの比較から本天体は近い将来に合体してより大きな1つの銀河になることを示した。本プロジェクトには国内外の学生(修士および博士課程)が関わっており、国内外での研究発表は多数あり、学生の教育的効果もあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
JWSTのデータは全て予定通りに取得された。現時点の論文成果は出版論文1件、投稿論文1件、投稿準備中の論文が複数という状況である。データ解析は、公式のソフトウェアでは不十分な場合が見られたため、研究グループが独自の改良を施した。研究グループ内でのノウハウも整いつつあるため、今後はより一層の研究成果が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
データ解析:JWSTのデータ解析を一様な手法で解析し、データを整理する。 また、ALMAデータも出版された結果に比べて高い精度での解析を目指す。 論文化:研究グループには、JWST、ALMA、及び宇宙論シミュレーションの専門家がいるため、その専門性を活かして論文化を進めていきたい。
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