研究課題/領域番号 |
23K22538
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補助金の研究課題番号 |
22H01267 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
木坂 将大 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (10639107)
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研究分担者 |
本間 希樹 国立天文台, 水沢VLBI観測所, 教授 (20332166)
榎戸 輝揚 京都大学, 理学研究科, 准教授 (20748123)
新納 悠 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (50632163)
村田 泰宏 福井工業大学, 工学部, 教授 (70249936)
三澤 浩昭 東北大学, 理学研究科, 准教授 (90219618)
米倉 覚則 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (90305665)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2025年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
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キーワード | パルサー / マグネター / 電波天文学 / 中性子星磁気圏 / 高速電波バースト |
研究開始時の研究の概要 |
電波帯域でミリ秒だけ光る新しい突発天体、高速電波バースト(FRB)は観測研究が飛躍的に進んでいるものの、その起源は依然として未解明である。ただし、その中で繰り返しバーストするリピーターは、中性子星が有力な候補である。実際、我々の銀河系内の中性子星からも明るい電波バーストである巨大電波パルス(GRP)とマグネター電波バースト(MRB)が検出されている。系内の電波バーストはその距離の近さからFRBよリも得られる情報が圧倒的に多い。そこで本研究では、FRB、GRP、MRBに対する電波を主とする多波長観測と、中性子星磁気圏の数値シミュレーションにより、電波バースト発生機構とFRBの起源の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
高速電波バースト(FRB)の起源は依然として未解明である。本研究では、FRB、巨大電波パルス、マグネター電波バーストの長期電波観測とその比較研究によりこれら3つの関係の有無を明らかにし、また得られた観測的制限に基づいて中性子星磁気圏の数値シミュレーションを実行することで、中性子星磁気圏の物理の枠組みに基づいてFRBの起源の解明を目指す。 1. 国内研究会 ~中性子星の観測と理論~研究活性化ワークショップ 2023 を主催し、研究の議論を深めた。 2. 銀河系内の SGR 1935+2154 に対して、FRBの前後に中性子星のスピンアップグリッチが2回起きていることを発見し、Nature 論文として発表した。この成果はプレスリリースも発出した。 3. 日立 32-m 電波望遠鏡、飯舘電波望遠鏡でCrabパルサーなどの観測を行った。また観測ターゲットにVelaパルサーを加えた。これは日本からの電波観測が極めて限られていたが、日立、石垣、水沢の電波望遠鏡を用いて観測を実行できた。これにより、偏波などの較正観測に極めて有用であることを示した。 4. 臼田電波観測所において受信回路を改修し、周波数S帯, LHCP帯の2周波に対して2偏波の同時観測を可能にして検出エネルギーを決定できるようにした。また日立望遠鏡でも電波観測後速やかに分散遅延解析結果を得るためのGPUを用いたPCの導入準備を進めた。さらに大容量の可視光高速撮像データを効率的に解析するためのソフトウェア開発を行った。 5. 2次元プラズマ粒子シミュレーションを用いて、粒子生成領域をパラメータとして突発的な振る舞いに対してパルサー磁気圏の振る舞いにどのように影響するかを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
飯舘電波望遠鏡の駆動系故障の復旧が遅れたため、多周波同時観測は遅れている。しかし、国内研究会 ~中性子星の観測と理論~研究活性化ワークショップ 2023を開催して本研究全体としての進展を確認したこと、臼田電波望遠鏡で2周波帯域で両偏波の観測が可能となったことで検出されたバーストのエネルギーを決定できるようになったこと、日立望遠鏡でも観測データの高速処理のためのGPU導入準備を進めたことで、当初予定していた観測体制はほぼ整った。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き電波、可視光、X線での観測を行う。特に2024年7月末見込みの飯舘電波望遠鏡修理完了後、Crabパルサーなどの多周波同時での長時間観測を行う。また、電波でのパルサー観測を京都大学などで学生実習として挑戦する活動を進める。可視光ではこれまでに取得した可視光高速撮像データの解析を進め、天体検出の有無を確認するとともに感度評価を進める。粒子シミュレーションでは空間3次元への拡張を行う。
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