研究課題/領域番号 |
23K22573
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補助金の研究課題番号 |
22H01302 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 東京大学 (2023-2024) 気象庁気象研究所 (2022) |
研究代表者 |
今田 由紀子 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (50582855)
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研究分担者 |
塩竈 秀夫 国立研究開発法人国立環境研究所, 地球システム領域, 室長 (30391113)
建部 洋晶 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), グループリーダー (40466876)
小坂 優 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (90746398)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2025年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | イベント・アトリビューション / 地球温暖化 / 力学的効果 / GCM / 大気海洋結合モデル / 季節予測 |
研究開始時の研究の概要 |
目の前で発生した異常気象は地球温暖化のせいなのか?この疑問に答えるために考案されたのが、イベント・アトリビューション(EA)と呼ばれる新しい研究手法である。これまで、気温や雨量を対象に多くのEA研究が行われてきたが、異常気象の引き金となる極端な循環場(気圧パターンなど)をEAの解析対象とすることは困難であることが知られている。本研究では、最新の季節予測モデルを応用し、大気の循環場を対象とするEAの新手法を確立し、異常気象の発生プロセスの理解を深めることを目指す。
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研究実績の概要 |
気候モデルによる大規模実験を駆使して近年の極端現象の発現と地球温暖化との関係を定量的に示す「イベント・アトリビューション」(EA)と呼ばれる研究手法が近年注目を集めている。これまで行われてきたEAでは、気温上昇や水蒸気増加などの熱力学的な効果は定量化し易い一方、極端現象が発生する際の主要因となる極端な気圧パターンなどの循環場が温暖化によってどのように変化するか(力学的な効果)は、大気の内部変動の影響や気候モデル間の差が大きく、検出が難しいことが課題であった。 本研究では、気圧などの循環場を解析対象とし、従来のEA手法において混在していた循環場の「発生」と「成長」過程を分離し、後者に対する温暖化の作用を調べることで力学的な効果の段階的な理解を試みる。これらを達成するため、大気海洋結合モデルを用いた季節予測システムを応用した新しいEAシステムを開発するシステム班と、その手法を用いて極端現象に対する地球温暖化の力学的効果を探求するメカニズム班に分かれて研究を進める。 R5年度は、システム班が、季節予測システムの初期値化過程に変更を加え、温暖化の影響を除去する「温暖化なし」実験を実施できる新しいEAシステムを完成させた。メカニズム班は、システム班が開発した新しいシステムを過去の極端現象に適用し、既存の大気モデルをベースとしたEAシステムに比べて改良の効果が明確に現れていることを確認した。進捗確認のための打合せを、2ヶ月に1回程度の頻度で実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存の季節予測システムを応用した新しいEAシステムの開発が順調に進み、実際のイベントに適用して改良の効果を確認することができた。本システムを用いて、本課題の最終目標である循環場のEAを実現するため、感度実験を行うための準備を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
季節予測システムを応用した新しいEAシステムに関する論文、および、メカニズム班によるR4年度の予備解析の成果を論文化する。並行して、極端現象の原因となる循環場のEAを実現するため、完成した新しいEAシステムを用いて、特定の初期値からアンサンブルメンバーを増やす新しいラージアンサンブル実験に着手する。
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