研究課題/領域番号 |
23K22584
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補助金の研究課題番号 |
22H01313 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山崎 敦子 名古屋大学, 環境学研究科, 講師 (40723820)
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研究分担者 |
後藤 明 南山大学, 人類学研究所, 研究員 (40205589)
石村 智 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 部長 (60435906)
渡邊 剛 北海道大学, 理学研究院, 講師 (80396283)
駒越 太郎 特定非営利活動法人喜界島サンゴ礁科学研究所, 研究部門, 研究員 (90868407)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | サンゴ骨格 / 中世の気候異常期 / エルニーニョ / リモートオセアニア / 中世気候異常期 / 人類移動 |
研究開始時の研究の概要 |
人類初の長距離航海を成功させた古代ポリネシア人は、西暦1000年頃にリモートオセアニアへ進出した。その移動経路は、遺跡から発掘される遺物の年代測定や現代人のゲノム解析により明らかになってきたが、それまで2000年もの間、ニアオセアニアに停滞して拡散をしなかった人類が、突然リモートオセアニアへ進出をしたのか多くの謎が残っている。長距離航海を可能にした要因として、当時の熱帯太平洋域における気候および海洋環境要因が考えられるが、詳細な記録として残っていない。本プロジェクトでは、中世のサンゴ化石を用いて当時の気候や海洋環境を明らかにし、人類がリモートオセアニアへ移動した謎に迫る。
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研究実績の概要 |
昨年度にフレンチポリネシアで採取したサンゴ化石の年代測定および一次解析を開始した。採取した43試料のうち、保存がよく、人類移動の時期における海水準を考慮して、分析を優先するサンプルを選定した。選定した試料はX線回折装置により微小量の方解石化の進行の有無と、走査型電子顕微鏡および薄片試料によるアラレ石の二次沈着結晶の有無を確認し、初生的なアラレ石が保存されている試料をさらに選別した。保存のよいサンゴ化石試料は放射性炭素年代測定により年代を決定し、その結果、本研究課題がターゲットとしている年代の試料を得ることができた。地球化学分析用に選定した試料を板状に成形し、軟X線画像を撮影し、密度バンド(年輪)を観察した。マイクロスケールで制御できるステージを付属したミリングマシンを利用して、年輪の成長方向に沿って骨格を切削し、粉末試料を採取した。採取した粉末試料の酸素同位体比およびストロンチウム/カルシウム比の分析を行った。一部の化石試料からはエルニーニョの影響によるシグナルが検出され、本研究で用いる試料が有用な古気候記録を保持していることを確認することができた。今後はさらに年代の幅を広げて、高解像度の古気候シグナルの検出を実施する。また、本年度はニアオセアニアの代表としてサモアでフィールド調査を実施し、離水したサンゴ礁に分布する大型のハマサンゴ化石の探索を行った。また今後の調査に必要な関係機関との協力体制の構築を実施することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で初年度のフィールドワークが二年目に実施となったため、サンゴ骨格の分析・解析が全体的に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の遂行に必要な試料を最低限得ることができたため、サンゴ骨格の地球化学分析を進める。また、研究集会をひらき、共同研究者間での成果の共有と、議論を進める。
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