研究課題/領域番号 |
23K22586
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補助金の研究課題番号 |
22H01315 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
池原 研 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 招聘研究員 (40356423)
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研究分担者 |
長橋 良隆 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (10292450)
杉崎 彩子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (20595128)
板木 拓也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究グループ長 (30509724)
石澤 尭史 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (50849320)
金松 敏也 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門, 専門部長 (90344283)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 地震履歴 / タービダイト / 日本海溝 / 層序 |
研究開始時の研究の概要 |
日本海溝沿いの巨大地震はどのくらいの間隔で発生し、その発生間隔にはどのくらいのばらつきがあるだろうか?また、それらは時間的・空間的に変化しているのだろうか?本研究では、国際深海科学掘削計画 Expedition 386で日本海溝から採取された長尺海底堆積物コアを用い、詳細なコア分析から各コア内での地震イベント堆積物の認定と層序を確立し、複数の年代指標を統合した年代モデルの構築から地震イベント堆積物のコア間対比と堆積年代決定を行う。そして、日本海溝沿いでの過去数万年間にわたる地震履歴(発生間隔やそのばらつき)を明らかにすることで、日本海溝の地震は時間的・空間的に多様なのかの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
日本海溝沿いの巨大地震はどのくらいの間隔で発生し、その発生間隔にはどのくらいのばらつきがあるだろうか?また、それらは時間的・空間的に変化しているのだろうか?本研究では、国際深海科学掘削計画 Expedition 386で日本海溝から採取された長尺海底堆積物コアを用い、各コア内での地震イベント堆積物の認定と層序の確立を行うことと、海底堆積物の年代測定に通常使われる有孔虫などの炭酸塩粒子が欠如し、地震時に再堆積が発生する超深海堆積物である海溝底堆積物の正確な層序・年代モデルの構築を、テフラ・微化石・古地磁気・放射性炭素・光ルミネッセンスなど複数の年代測定手法を統合することで行うことが目的となる。この目的のため本年度は、Expedition 386のコア試料からの研究用試料の分取を完了させたとともに、年代モデル構築のためのテフラと放散虫の分析、古地磁気測定、放射性炭素年代測定を進めた。テフラと放散虫の一次分析は終了し、年代モデルの基礎データが得られており、それに基づいて、重要なコアの重要な層準について、追加のサンプリングを実施した。古地磁気測定も重要なコアについて測定を集中させている。放射性炭素年代測定では、バルク有機物の年代測定を行うとともに、堆積物中の花粉粒子の抽出作業を行い、年代測定に向けた準備を進めた。 日本海溝沿いでの地震イベント堆積物の挟在状況の確認については、肉眼記載とX線CT画像並びにテフラと放散虫群集に基づく予察的な年代情報を考慮して検討し、日本海溝北部/中部・北部境界域/中部から南部で挟在状況が異なることを明らかにした。また、さらに詳細なイベント堆積物の認定のために、蛍光X線コアロガーによる分析を終了させ、データの解析に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各分析/測定に必要な試料の分取作業を終了させ、それぞれの分析/測定作業を開始した。各分担の分析作業は概ね順調に進んでいる。特に測定に時間を要する分析/測定においては、重要なコアを選定し、優先して分析/測定を行うことで、統合的な年代モデルの構築に支障が出ないように配慮した。また、必要に応じて、近傍の既存試料の収集や追加分析計画を検討しており、研究計画の目的達成のため、研究は順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
2年度目に当たる2023年度は、引き続き各分析/測定の作業を進める。集中して実施している重要なコアのデータをまとめることで、統合的な年代モデルの構築のため、必要な議論を研究代表者/分担者間で進める。そして、地震イベント堆積物の堆積間隔の概要を把握する。また、年代決定精度の向上に資するため、近傍から採取された既存コア試料の分析を並行して進める。また、日本海溝全域にわたる地震イベント堆積物の時空間分布の把握も重要であるので、利用可能な年代データと岩相情報を組み合わせて、その把握に着手する。
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