研究課題
基盤研究(B)
核-マントル間での物質的やりとりに関しては,直接的情報を得る方法が限られているために十分な理解が進んでいない。その状況で,親鉄性元素であるタングステン(W)は中心核の情報をマントル上昇流で入手可能な地表まで運ぶことが期待できる数少ない元素である。特にその同位体は,地球の核-マントル間の進化に関する重要な情報を提供する。本研究では,マントル深部起源の岩石に対し,高精度W同位体比を得て,時代変動を丁寧に追う。一方,ケイ酸塩メルトと液体鉄間でのHf-Wの分配を決めることによって,W同位体を起こすプロセスを明らかにする。2つの知見を総合的に解釈し,判然としない核-マントル相互作用の様態を解明する。