研究課題/領域番号 |
23K22608
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補助金の研究課題番号 |
22H01337 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
藤井 昌和 国立極地研究所, 先端研究推進系, 助教 (80780486)
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研究分担者 |
山下 幹也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (00415978)
草原 和弥 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), 研究員 (20707020)
佐藤 暢 専修大学, 経営学部, 教授 (50365847)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2025年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 南大洋 / 海洋底 / テクトニクス / 海底地形地層 / 海洋循環 |
研究開始時の研究の概要 |
氷床と海洋は、地球表層の変動に重要な役割を果たしており、その代表格である南大洋は地球システムの鍵として注目を集める。しかし、地理的条件から詳細な観測は限られ未解明な点が多い。特に、海洋の深層循環や暖水の流路を規定する海底構造の把握が重要であるが、長期の発達背景も含めた海底を構成要素とした統合理解は進んでいない。そこで本研究では、海底観測データの詳細な解析を基軸に、海洋数値モデルと海底砕屑物の分析も組み合わせ、東南極沖合の海底と海洋循環場の関連を明らかにし、現代に至る変遷過程を考察する。南大洋の理解を氷床-海洋-海底システムまでアップデートすることで、過去の解読と将来予測に貢献することを目指す。
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研究実績の概要 |
主要対象地域として設定した南極のリュツォ・ホルム湾、ケープダンレー周辺域、トッテン氷河周辺域の3海域において、マルチビーム音響測深機のデータを解析し、海底地形図を作成した。それら海域とその沖合における海域磁力計データを解析し、対象海域の第四紀および第三紀の海洋底年代を部分的に得た。同海域で取得された浅部地層探査および反射法地震探査のデータを解析し、堆積構造とその分布を把握した。また、特にケープダンレー海域で取得された海底岩石および砕屑物の顕微鏡観察を進め、岩石磁気、物性測定を進めた。 最新の海底地形データを用いて高解像度化に必要処理スキームを構築した。そしてそれらのデータを海洋数値モデル計算に適用し、現場観測ではカバーできなかった時空間スケールの海洋場を再現した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主要対象地域における既存データの解析、数値モデル計算への適用、岩石の分析、新たな観測はそれぞれ順調である。具体的には、リュツォ・ホルム湾、ケープダンレー周辺域、トッテン氷河周辺域の3海域において、日本研究船16航海と外国船航海で得たデータを解析して詳細な海底地形図を新たに作成できている。また、水深分布、斜度分布、地形走向分布データを構築し、海底構造判読を進め海域を支配する代表的な構造と微細構造を明らかにした。特に、トッテン氷河沖に関して海底谷の面的な広がりの理解が飛躍的に進んだ。ケープダンレー周辺域の浅部地層探査および反射法地震波探査装置のデータの解析においては、幾何補正や震源ソース最適化まで進められ、詳細な構造解析の結果を得た。その結果、海底谷の非対称性等が海底地形と堆積構造の双方に認められ意義深い結果が得られている。物質科学的な理解についても、観測で得られた岩石の密度測定、海底写真記録の精査、顕微鏡観察を実施した。年度後半より、代表者が64次南極観測隊に参加し、リュツォ・ホルム湾、トッテン氷河周辺域での海洋観測を実施し新たなデータを取得した。特に、ラングホブデ氷河縁辺、トッテン氷河縁辺における氷河近傍のかなり広範囲での海底地形データを取得した。これらの成果にかかる学会発表と論文投稿を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に引き続き、この研究で新たに実施する観測及び解析で得られた最新の海底地形と構造、海洋特性の観測で得られた知見を組み合わせ、高分解能な数値モデルとの相互比較研究に発展させ、現場観測ではカバーできなかった時空間スケールの海洋場再現を進める。得られたモデルの中でも特に海底付近での流速場に着目し、現代において鉱物粒子が堆積する場なのか、あるいは沖合まで流される場なのかについて、各地形・構造要素ごとに面的に推定する。この結果を、実際に海底から採取された堆積物試料の堆積状態や粒径分布と対比し、推定される堆積ポテンシャル分布の精度を評価する。これらの結果に基づいて再度海底地形を解釈することにより、現代の海洋場および堆積場では整合のつかない場所を見極めることで、過去の海洋循環像ひいては氷床と海洋との相互作用像の痕跡を抽出する。65次南極観測事業などで計画されている海底および海洋の観測データも逐次取り入れる。
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