研究課題/領域番号 |
23K22631
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補助金の研究課題番号 |
22H01360 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
永島 壮 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (80800317)
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研究分担者 |
松原 成志朗 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (40823638)
奥村 大 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70362283)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
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キーワード | 表面不安定 / 表面張力 / 薄膜 / リンクル / 固体力学 / フォールド |
研究開始時の研究の概要 |
硬質薄膜と軟質基板から成る薄膜基板構造体の表面不安定は,微細な凹凸パターンの自律形成を誘発するため,機能性人工物の創成や生物の形態形成機構の解明に繋がる現象として注目されている。本研究は,応募者が世界に先駆けて報告した,構造体の表面に接触した水滴が駆動する波状パターン「リン クル」と折畳パターン「フォールド」の共存現象(Nagashima et al., PNAS, 2017; Nagashima and Nakatani, Langmuir, 2021)に着目し,顕微鏡その場観察実験,有限要素解析,および理論構築の融合研究により,発生機構と制御原理を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は,薄膜の表面に接触した水滴が駆動する表面不安定現象に着目し,その発生機構と制御原理を解明することを目的とする。特に,波状パターン「リンクル」と折畳パターン「フォールド」の共存現象を対象に,顕微鏡その場観察実験と有限要素解析,理論構築の融合研究を実施し,上記の目的を達成する。本年度の研究実績は,以下の通りである。
実験においては,エラストマー基板の表面に酸化薄膜や金薄膜を形成してリンクルを作製した。次に,水滴をリンクル表面に静置し,リンクルからフォールドへのパターン変態が生じない条件について検討した。これまでの研究成果に基づいた予測通り,膜厚が数十ナノメートルから数百ナノメートルの場合は,水滴接触後もリンクルが維持され,共存現象は生じないことを明らかにした。この実験を遂行する過程で,表面不安定現象に基づき階層凹凸パターンが形成する現象を新たに見出し,そのメカニズムを明らかにした。さらに,リンクル・フォールド共存を発生させずに異方的な濡れ特性を示す機能表面の作製に応用できることを実証し,その研究成果を国際学術雑誌Advanced Materials Interfacesに原著論文として掲載した。
有限要素解析においては,汎用ソフトウェアAbaqusを用い,水の表面張力が駆動するリンクル・フォールド変態の基礎的な検討を実施した。具体的には,水の表面張力に相当する集中荷重をリンクルの頂点近傍に作用させ,フォールド変態の発生条件を検討した。特に,リンクルを形成する初期ひずみや膜と基板の弾性特性など,種々のパラメータがフォールド変態に及ぼす影響を明らかにした。さらに,表面張力を除荷した後のパターン変態について解析し,有用な知見を獲得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度の実施計画は,顕微鏡その場観察実験と有限要素解析,理論構築により,水滴駆動リンクル・フォールド共存現象の制御原理を明らかにすることである。理論構築においては,当初の計画より遅れが生じているが,顕微鏡その場観察実験と有限要素解析においては,上述の通り有益な成果を獲得している。以上より,おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は,顕微鏡その場観察実験と有限要素解析,理論構築により,水滴駆動リンクル・フォールド共存に及ぼす初期ひずみ,膜厚および弾性率比の影響を明らかにする。また,水滴蒸発後にもフォールドが保持される現象に着目し,そのメカニズムを明らかにする。
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