研究課題/領域番号 |
23K22636
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補助金の研究課題番号 |
22H01365 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
森田 康之 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (90380534)
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研究分担者 |
小俣 誠二 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (60624814)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | 幹細胞 / ステムネス / 磁場応答性ゲル / 弾性率 / 磁性粒子 / 刺激応答性高分子 |
研究開始時の研究の概要 |
間葉系幹細胞(あるいは間葉系間質細胞,MSC)は,骨髄,皮膚,脂肪などといった身体のあらゆるところに存在し,試験管内でも強い増殖能を示すとともに,身体からの採取,単離,培養の方法が簡単であるため,再生・細胞医療の中核に担う細胞として考えられている.しかし臨床試験におけるMSC利用製品の治療効果にはばらつきが大きく,高額であるにも関わらずその費用対効果が低いことが,MSC利用製品の普及を失速させている.この治療効果のばらつきの原因として,MSCの培養によりステムネス状態の減弱化・不均一化が指摘されている.そのため,MSCのステムネス減弱を防ぎ,ステムネスを長期的に保持する技術の開発に取り組む.
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研究実績の概要 |
間葉系幹細胞(MSC)のステムネスの減弱は,培養中のMSCが基板の弾性率を感知し,弾性率に応じた特定の体細胞に分化することから生じるため,MSCに培養基板が一定の弾性率であることを記憶させないことが重要である.そこで本研究は,MSCのステムネス減弱を防ぎ,ステムネスを長期的に保持する技術の開発に取り組む.それを実現するために磁場応答性ゲルを用いる.磁性粒子を分散させたゲルを培養基板とし,磁場印加により培養基板の弾性率を制御し,MSCのステムネスを長期保持する技術を開発することを目的とする. 二年目は,研究実施計画に示すとおり,(2)MSCを長期培養する際,培養基板の弾性率を能動的に変化できるようにするため,磁場印加による磁場応答性ゲルの弾性率変化の評価を行った.それを達成するため,まずは磁場印加装置の改良を行った.すなわち,ヨーク形状を円錐形から直方形に変更し,磁場応答性ゲルに作用する磁界の一様性を高めた.さらに,磁界を発生するソレノイドコイルがこれまでは一つであったが,相対方向にもう一つのソレノイドコイルを新たに設置した.これにより,磁場応答性ゲルに作用させる磁場の交流化が可能となり,装置の機能および自由度が高まった. 改良した装置を用い,磁性粒子を分散させたゲルに磁場を印加した.それに伴う磁性粒子の動きを動画により捉え,デジタル画像相関法により数マイクロメートルの変位挙動を全視野で定量的に可視化することに成功した.その挙動から,弾性および粘性の定量的評価に成功するとともに,線維性ゲルに起因するゲル中の局所的機械的特性の不均一性について実験的に立証することに成功した.これらの結果により,当初の計画であった磁場印加による磁場応答性ゲルの弾性率変化の評価という目標を達成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおりに進展しているため.
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書の実施計画にも示したとおり,この作製した磁場応答性ゲルを用いて実際に間葉系幹細胞を培養する.そして,磁場印加によりゲル弾性率を変化させ,幹細胞の機能・特性変化,ひいてはステムネス状態を評価する.
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