研究課題/領域番号 |
23K22637
|
補助金の研究課題番号 |
22H01366 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
筧 幸次 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (70185726)
|
研究分担者 |
村上 秀之 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究センター, 上席研究員 (30212252)
角田 直人 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (70345437)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
|
キーワード | 付加造形 / 選択的レーザ溶融法 / Ni基超耐熱合金 / イットリウム / 酸素混入 / 選択的レーザー溶融法 / 指向性エネルギー堆積 / イットリウム添加 / 耐熱合金 / Ni基超合金 / クリープ / 凝固割れ / 酸素の混入 |
研究開始時の研究の概要 |
IN718粉末を用いて付加造形材を作製して,レーザー粉末床溶融法,電子ビーム粉末床溶融法,指向性エネルギー堆積法, バインダージェット法の付加造形材に関して,それぞれのそれぞれの組織と強度特性を調べ,酸素混入,合金元素偏析・残留応力により起因するき裂の観点から高温強度弱化メカニズムを明らかにし,IN718付加造形材の高温強度に関して統合的に検討,対応策を明らかにする.
|
研究実績の概要 |
(1)ニッケル基超合金 IN718 の組織,高温機械的特性に対するイットリウム (Y) 添加の影響について調べた. この研究では,Y の範囲 (0 wt.% -0.58 wt.%) を含む合金が,選択的レーザー溶融法を使用して製造された. その後,溶体化および時効熱処理を行った. 機械的特性は,650°C での高温引張試験と クリープ試験によって評価した. 結果は,0.07wt.%までのYの添加は,引張およびクリープ延性の両方を高めた. 最大の延性は,0.07wt.%で観察された. Y添加量さらなる増加は,引張試験およびクリープ試験の両方で延性の低下をもたらしたが,引張強度は0.07wt%で最小であり,Y 添加のさらなる増加に伴って増加した. Y の微量添加による延性の改善は,Y の粒界偏析に起因する可能性があり,これがδ相析出物の形態変化と,粒界での Y2O3 の形成による混入酸素の安定化につながった. ただし,Y 含有量が高くなる(>0.07 wt.%)と,延性への有益な効果は,粒界および樹状間領域での Y に富む Ni5Y および NbC 相の析出により低下した. 一方,Y を多く添加した試験片は,Y の固溶と Ni5Yおよび NbC 相の析出によって機械的に強化された. (2)積層造形技術で作製されたハイエントロピー金型合金合金へ,微量のYを添加して固溶酸素を酸化物として固定化を試みた.Yを添加した材料を用いて,積層造形およびY添加がHEAへの機械的特性並びに組織に及ぼす影響について調べた. Y添加により,添加元素であるAlやTiの酸化がより安定なY2O3の生成により抑制され,粒界におけるDP(Discontinuous Precipitation)L12相の析出が抑制され,引張延性およびクリープ寿命・延性が改善された.酸素混入が不可避な積層造形において,混入酸素を固定化するY添加は効果的手法であることを明らかにした
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)TiAl4822合金,固溶強化合金Hastelloy Xおよび析出型強化型合金IN718において,Yの効果を明確にすることができた. (2)600℃予熱により,Nb偏析が軽減され,クリープ特性が向上することを明らかにできた.
|
今後の研究の推進方策 |
(1) Y添加が,粒界強化に及ぼす影響メカニズムが,不明であるので,粒界性状について重点的に調べる. (2)酸素の混入多い多い,デポジション方式(DED:Direct Energy Deposition)でIN718およびTiAl4822合金試料を作製して,酸素混入の影響を調べる (3)予熱の効果について,有限要素法を用いて温度勾配,冷却速度の観点から明らかにする.
|