研究課題/領域番号 |
23K22653
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補助金の研究課題番号 |
22H01382 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
坂本 重彦 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00315285)
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研究分担者 |
佐藤 隆太 名古屋大学, 工学研究科, 特任教授 (60376861)
井原 之敏 大阪工業大学, 工学部, 教授 (90213199)
加藤 秀治 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90278101)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | キューブ加工 / 加工試験方法 / 精度試験 / 形状創成理論 / 5軸制御マシニングセンタ / 工具経路 |
研究開始時の研究の概要 |
デジタル・トランスフォーメーションの取り組みが活発化する中、製造工程の自動化や省力化に対応して、工作機械に対して多軸・高機能化が一段と進んでいる。本研究では、工作機械を数学モデル化する形状創成理論において、静的および動的な誤差要因を数式化して定量的な行列で表現する手法を確立する。その有効性を検証するために、5軸制御マシニングセンタの新たな精度試験方法としてキューブ加工を提案し、機械の精度向上を目的とした直接的な補正法に結びつける。さらに、新たな精度検査用の標準器としてマスターキューブを設計製作し、国際標準化のひとつに結びつけたい。
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研究実績の概要 |
本研究では、誤差要因を同定することを目的とした精度検査方法として、キューブ加工を提案する。キューブ加工とは、様々な任意の工具姿勢での加工を施すことで、9つの正方形を立方体の各表面に加工することと定義する。キューブ加工による精度検査方法を提案するために、2022年度では、主に2つの項目について実施した。
1 形状創成理論における静的・動的誤差の数学モデル化 工作機械の形状創成理論において、当研究者らが、これまでに幾何学的誤差として案内軸間の組立誤差を数学モデル化し、その有効性を実験的にも確認している。2022年度、個々の案内軸に存在する位置決め精度を数学的に表現して、誤差モデルを拡張した。各位置における誤差を並進および回転の6成分で表現し、位置に依存する関数とした変数で行列に組み込んだ。行列での表現方法について、複数の手法を比較検討し、実機での計測に活かす準備を進めた。 2 動的な誤差要因を評価するキューブ加工法の提案 次に、誤差モデルを拡張した形状創成理論について、その有効性を検証するために新たな精度検査方法を提案し、理論解析および実験的検証を始める。5面や自由曲面を加工できる5軸制御マシニングセンタでは、任意の工具姿勢を取ることができ、送り案内軸の同時制御が高精度化の鍵となる。様々な工具姿勢によるエンドミル工具で立方体の5面に切削面を創成するキューブ加工における工具経路をCAMを利用して検討し始めた。案内軸の制御法に対して、高精度化を実現する手法も検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
工作機械の数学モデル化について、順調に解析が進み、キューブ加工に対するシミュレーションができている。また、誤差モデルの構築も並行して進展し、計算手法を含めて、複数の方法論に対する検討を実施している。本分担課題については、2023年3月に精密工学会春季大会にて発表した。 一方、キューブ加工における工具姿勢および工具経路が、CAMソフトウェアを用いることで、様々なケースに対して算出されている。得られた工具経路に対する工作機械の案内軸に対する制御法を比較検討するなど、各分担者が担当する課題に積極的に取り組んでいる。 以上のことより、おおむね初年度の計画に準じた活動が進められていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍における活動の制限が解除されたため、各分担者間において、対面での研究打ち合わせを遂行する。それぞれが実施している実験環境を見学することによって、共通する問題点の発見や解決に繋げて、キューブ加工の一般化を推進したい。 数学モデル化についても、考え方の差異を明確にするだけではなく、知見の共有を図りたい。さらには、キューブ加工に適した工具の選定など、実加工への実用化を目指す。
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