研究課題/領域番号 |
23K22656
|
補助金の研究課題番号 |
22H01385 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18030:設計工学関連
|
研究機関 | 早稲田大学 (2023-2024) 香川大学 (2022) |
研究代表者 |
荒川 雅生 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 教授 (20257207)
|
研究分担者 |
平見 尚隆 香川大学, 創造工学部, 教授 (50774139)
勝又 暢久 香川大学, 創造工学部, 准教授 (60534948)
竹内 謙善 香川大学, 創造工学部, 講師 (90911686)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 設計工学 / 言葉とエンジニアリング / 感性工学 / 満足化トレードオフ法 / 数量化理論I類 / 数量化理論III類 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,製品の評価に関してユーザが行う定性的な評価とエンジニアが行っている定量的な評価のギャップを埋め,ユーザの多様性に合わせて製品開発をスムーズに行える手法の開発にある.言葉のトレードオフ関係から必要な情報を限定し,ユーザの負担を減らしてより正確な情報を引き出す方法,ユーザの評価と機能の関係を明示することで必要な機能を限定し,強化するための方法を提示することにある.
|
研究実績の概要 |
「言葉によるエンジニアリング」として,以下の2つのことを中心に研究を実施した.1つ目が「言葉」のトレードオフ関係の把握である.これには既に感性アンケートが終わっているゴルフグラブのデザインのデータを用いた.満足化トレードオフ法によるトレードオフ分析を行い,その結果から,例えば,「かっこいい」と「手に取りたい」「目立つ」はほぼ同意義であること.「かっこいい」と「高級感」は途中までは同調するもののある一定のところからはトレードオフ関係に入ること,「かわいい」は上記に加えて「斬新な」も含めてすべての感性ワードとトレードオフ関係にあることなどが実証された.これにより,より少ない感性ワードで全体を把握することが可能になった.その成果を,国際会議への発表が決定し,論文として提出の準備に入っている.2つ目が,ロボット掃除機のアンケートの準備である.当初は,椅子を題材とする予定であったが,議論の中で椅子よりも機能面と「言葉」の関係を同次元に配置することが可能なことから題材の変更を行った.アンケートのためのテストコースを作り,12種類のロボット掃除機の動作を動画に取り,これを2分程度で状況が見れる動画に加工し,感性ワードを10個選んでアンケートをできる状況を用意した.また,外国語との関係を知るために,メキシコに動画を持っていきアンケートを実施した.日本人に対してはアンケートができるようなサイトを準備した.分析方法の中心である数量化理論III類,および,満足化トレードオフ法の準備は既に整えており,アンケートを幅広い世代で十分な人数に実施することで結論を見出す準備が整っている.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の進め方として,「言葉」の間のトレードオフ関係の把握と,「機能」と「言葉」の関係性の把握,「言葉」の意味の変遷の3本を柱とすることを決めた.「言葉」の間のトレードオフ関係の把握に関しては,キャスコ株式会社のご厚意により,同社と行っていたプロジェクトベーストラーニングで実施した感性データベースを利用することができた.そのため,このデータベースの範囲という限定はつくものの「従属」関係にある感性ワード,トレードオフ関係にある感性ワード,途中から「従属」から「トレードオフ関係」へ変遷するワードの把握ができ,当初の想定通りの結果になった.「機能」と「言葉」については,当初想定していた題材である椅子では機能に限定があることから,これをロボット掃除機に変更した.変更後は,アンケートを取るための動画の作成,感性ワードの選定,メキシコにおけるアンケートの実施等々予定通りにこなすことができた.現在,日本人に対して幅広い層でアンケートを実施する方法を検討しており,ここでも概ね想定通りである.「言葉」の意味の変遷に関しては,基本的に数量化理論I類が線形であるため,どこかでその意味合いがサーチレートすると想定している.キャスコへの追加アンケートの依頼は済んでおり,これも次年度すぐに実施できる状況にある.やはり,「言葉」と形の関係でも変遷が起こることが想定されており,そのための3Dプリンタを購入し実験を開始できる状況を整えた.以上,概ね良好に研究は進められている.
|
今後の研究の推進方策 |
研究の進め方として,「言葉」の間のトレードオフ関係の把握と,「機能」と「言葉」の関係性の把握,「言葉」の意味の変遷の3本を柱とすることを決めた.「言葉」の間のトレードオフ関係の把握に関しては,1次的な成果は確認することができており,今後,これを公表する手続きに入っている.また,「言葉」の変遷への昇華を予定しており,そのための準備も終わっている.「機能」と「言葉」に関してはアンケートの準備は修了している.既にメキシコにてスペイン語でのアンケートは収集済みであり,現在,日本人に対して幅広くアンケートを実施できる準備を進めている.こちらもデータが整い次第,結果をまとめて公表する予定である.「言葉」の変遷は,数量化理論I類における線形性の限界を明示し,その対策を立てていく予定である.また,形と「言葉」の変遷については,3Dプリンタにて形状を変えながら実施していく予定である.
|