研究課題/領域番号 |
23K22662
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補助金の研究課題番号 |
22H01391 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
小山 大介 同志社大学, 理工学部, 教授 (50401518)
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研究分担者 |
江本 顕雄 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 特任准教授 (80509662)
石河 睦生 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 講師 (90451864)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 超音波 / 光デバイス / 光計測 / レンズ / スキャナ / 液晶 |
研究開始時の研究の概要 |
一般的な光走査デバイスでは,ミラーを回転させて光を走査するが,走査速度と範囲の限界はこの機械的特性によって決定される.一方で,光路の媒質中に音波が伝搬すると,圧力変動に伴う屈折率変化が生じ,入射光は屈折・回折する.本研究では,超音波によって光路中の屈折率分布を高速に変化させ,光を空間的・時間的に高速制御する技術,およびそれを用いた高機能光音響デバイスを検討する.第一に,超音波の放射力によって液晶配向と屈折率を静的に高速制御する技術を利用した光デバイスを開発する.第二に,超音波による周期的な媒質の屈折率変化を利用した光デバイスを開発する.第三にこれらのデバイスを用いた高速光計測技術へ展開する.
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研究実績の概要 |
本研究では,超音波によって引き起こされる媒質の屈折率変化を利用した光デバイスの開発について検討した.第1項目として,超音波と液晶材料を用いた可変焦点レンズの開発を行い,特に液晶層の積層化による光学特性の改善について検討した.レンズは2つの液晶層と複数枚のガラス円板で構成され,これらの厚みがレンズの光学特性に与える影響について定量的評価を実施した.その結果,液晶層の多層化によって可変焦点幅は増大し,ガラス円板厚みが薄いほど消費電力が低減することが明らかとなった. 第2項目として,将来的な超音波液晶レンズの電子デバイスへの搭載を想定し,レンズの固定方法および固定がレンズの光学特性に与える影響について検討した.レンズ周端部を基板に固定し,これを超音波駆動した際のレンズの超音波振動特性および光学特性について,シミュレーションと実験の両面から評価した.その結果,シミュレーションと実験の両方において,未固定時と比較して,周端部固定時は振動振幅が減少する傾向があるものの,同じ共振モードが発生することが確認された.この共振モードを利用することにより,基板固定時の液晶レンズを可変焦点レンズとして動作させることに成功した.また未固定時と比較し,基板固定時のレンズではより焦点距離の制御性が容易となった. 第3項目として,数10 MHzから数100 MHz帯域の超高周波強力超音波を用いた媒質の屈折率制御手法について検討した.超高周波強力超音波の発生を実現するための圧電薄膜を水熱合成法によって成膜し,それに最適な成膜条件について検討した.作成した圧電薄膜を用いた超高周波超音波トランスデューサを開発し,これを用いた水中実験を実施した.その結果,トランスデューサ表面近傍において水中の屈折率が静的に変化する現象が確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
・新規超音波液晶デバイスの開発:超音波によって液晶配向を制御する技術を利用し,その透過光強度を超音波によって調整可能な光フィルタの開発を行う.特に,超音波周波数および初期液晶配向がそのフィルタリング性能に与える影響について検討する. ・超高周波強力超音波を媒質に照射した際に引き起こされる静的な屈折率変化について,その物理メカニズムの解明を目指すと共に,本現象を利用した新たな光デバイスの開発を検討する.
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