研究課題/領域番号 |
23K22663
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補助金の研究課題番号 |
22H01392 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 鶴岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
上條 利夫 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00588337)
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研究分担者 |
佐藤 貴哉 沖縄工業高等専門学校, その他部局等, 校長 (30399258)
森永 隆志 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30467435)
佐藤 勝彦 東北医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (80400266)
荒船 博之 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90707811)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | イオン液体 / 微粒子 / トライボロジー / 低摩擦 / イオンブラシ / ポリマーブラシ / 磁性微粒子 / 能動制御 / 濃厚ポリマーブラシ |
研究開始時の研究の概要 |
これまで有機合成技術を駆使してイオンブラシを作製し,良溶媒となるイオン液体中で分子レベルに平滑なシリカ表面と組み合わせることによってマクロスケールで摩擦係数0.001オーダーの超低摩擦特性が発現することを初めて見出した本申請研究では,平滑対抗面に表面修飾したテクスチャリング材料のハイブリッド表面に同じく表面修飾した微粒子を組み合わせた複合ハイブリッド構造を用いた摩擦の能動制御と超低摩擦摺動システム創製を目指す。テクスチャ表面と微粒子の組み合わせの効果を明らかにし,微粒子を能動制御することよって,低摩擦・高耐久特性を自在に制御できる超低摩擦摺動システムの創製を目指す。
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研究実績の概要 |
①イオンブラシを付与したテクスチャ基板の作製と実用耐久性評価 アルミニウムの陽極酸化によって得られるポーラス基板(PAA)にイオンブラシを付与させたイオンブラシテクスチャ基板における耐荷重特性,繰り返し耐久性,低摩擦特性の関係について精査した。その結果,荷重300g,滑り速度範囲が0.5-5.0 mm/sにて摩擦係数が0.003という結果が得られた。また,シリカ微粒子にイオンブラシを付与した複合微粒子を添加した実験では,さらなる低摩擦特性の結果が確認できた。今後詳細な結果ついて精査する予定である。 ②磁性微粒子(FP)およびイオンブラシを付与した磁性FP(CPBFP)の挙動確認とトライボロジー特性評価 初年度に作製したCPBFPを用いて,磁場のON-OFF(磁性シートの有無)によるFPの制御ができるか確認するとともに,潤滑剤に分散させた際のトライボロジー特性について調査した。その結果,磁性シートの有無により摩擦特性が変化すること,また磁性シート有の場合における磁束密度の強さによっても摩擦特性が変化することが確認された。市販の磁性FPを用いたため粒子径の制御ができなかったため,新たに磁性微粒子を作製した。現在,サイズの微調整や量産化方法の検討に着手している。 ③CPBFPと修飾基板(MS)の相互作用による界面固定 磁性におけるトライボロジー制御が可能である結果が示されたが,メカニズムの解明のためにも,基盤と複合微粒子における表面修飾を親水性(疎水性)/親水性(疎水性)といった組み合わせにできるよう表面修飾の合成経路について検討し,現在予備実験を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実績概要にて示したように,イオンブラシを付与したテクスチャ基板にて広い速度範囲にて極めて低い低摩擦特性を確認することができた点,イオンブラシを付与した磁性FP(CPBFP)にて,磁性シートの有無や磁束密度の違いによる摩擦の能動制御が可能である結果が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度で得られた結果より,イオンブラシ,テクスチャ基盤の低摩擦特性および,これらの組み合わせにおけるイオンブラシを付与した微粒子の存在により,さらなる低摩擦特性が発現することが明らかになりつつある。この特性発現メカニズムを赤らかにするためにも引き続き,摩擦測定条件や基盤,テクスチャサイズ,微粒子サイズをパラメータとして現象解明を進めていく。また実用的なコストの観点からイオン液体の代替品として注目を浴びている深共晶溶媒(DES)について適用できるかも視野に入れて研究を進める。磁性微粒子を自ら作り出すことが出来つつあり,磁性微粒子にシリカコート,そしてイオンブラシを付与する技術を来年度中に作り上げる予定である。
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