研究課題/領域番号 |
23K22675
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補助金の研究課題番号 |
22H01404 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
古市 紀之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (10334921)
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研究分担者 |
辻 義之 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00252255)
経田 僚昭 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50579729)
小野 満里絵 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (80883090)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2022年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | LDV / 散逸率 / 壁乱流 / 高レイノルズ数 / テイラーの凍結仮説 / スケーリング則 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、高レイノルズ数壁乱流のうち円管乱流における平均速度分布と乱流強度分布のスケーリング則の確立、すなわちその普遍性を明らかにすることを目指す。スケーリング則の確立のためには、各レイヤーにおける流動構造を明確にする必要があるが、1点の乱流統計量のみでは議論を行うことができない。そのため、本研究においては散逸率計測を行うための新たなLDVシステムの開発を行う。開発された計測手法を用い、壁面から中心にかけての乱流特性を明らかにし、その普遍的な分布を確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
今年度は2台のLDVによる2点同時計測について、トラバース装置の導入により高度化を実施したうえで、前年度実施の円管内高レイノルズ数流れにおける移流速度および散逸率に関する計測を実施した。低速流と高速流に対して速度場を再構築し移流速度を求める手法の他、Waveletにより得られたスペクトルによる相関から移流速度を求める手法を提案した。Waveletにおいては、VLSMと呼ばれる大規模構造とLSMと呼ばれる構造を明確に分離することができ、それぞれの構造に遅れ時間を明確に与えることができる。また、平均の移流速度については、対数領域のほぼ中間において顕著に異なることを明らかにした。対数領域中間より壁面寄りでは一定速度、それより外側ではほぼ平均速度と同一となる。対数領域における構造がその中間領域を境に異なることを示している。 散逸率の計測については、2点間の距離を極めて小さくすることにより速度勾配を計測し、その値の算出を試みている。現在のところ、時間分解能の設定と測定位置によりその値が異なり、正確な計測ができていないものと考えらえれる。特に、測定位置については、トラバース装置の設定が不十分であり、散逸率を計測するために十分な精度を有する位置情報となり得ていない点が問題となっている。また、測定線をクロスするCross-Line Multi-point LDVについては、現在開発を継続中であり、完成には至っていない。次年度においては、散逸率計測の達成に向けた研究を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
散逸率計測に及んでいない点については、目標に届いていないが、問題点の抽出も行っており、また、移流速度の詳細な計測から乱流強度分布における普遍的な構造へのアプローチも進んでいる。その点からは概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度においては、まず散逸率の計測にあたり、2点計測における流れ方向成分の速度勾配の計測を高い時間分解能において実施することを目指す。このことは、特に2点計測におけるLDVの測定部の位置決めが大きく影響することが明らかになっている。新たに導入したトラバース装置の設定をより綿密に可能なようにし、測定位置を散逸率計測が可能になるように調整する。また、Cross-Line Multi-point LDVを完成させ、チャネルにおける計測を進めることとする。
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