研究課題/領域番号 |
23K22677
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補助金の研究課題番号 |
22H01406 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
小池 俊輔 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 主任研究開発員 (40547064)
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研究分担者 |
半田 太郎 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30284566)
杉岡 洋介 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 研究開発員 (20865604)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | FLEET / フィラメンテーション / 超音速流れ / 流速計測 / 数密度場計測 / フェムト秒レーザー / 密度計測 / フェムト秒レーザ / 圧縮性流体 / 数密度場 / 流体計測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,パルス幅が100フェムト秒程度のフェムト秒レーザにより,空気中の窒素分子が発光する現象を利用する.この流れ中の窒素分子の発光を短い時間に2枚以上撮影することで,その発光の移動方向や距離を求め,流れの速度を得る.また,発光輝度の減衰する時間履歴を利用することで,密度を得る.これらを効率的に行う手法を研究している.また,これらの計測手法自体の研究とあわせて,発光から生じる擾乱が流れの速度や密度の計測にどの程度の影響を及ぼすかも調査している.
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研究実績の概要 |
本研究では,フィラメンテーション発光(フェムト秒レーザと空気中の窒素分子による発光)から速度場と状態量場を計測する手法を開発しており,その過程で,発光減衰の特性や多点発光の発生条件,発光の発生する擾乱の流れ場への影響を明らかにする. 2年目にあたる2023年度は,フィラメンテーション発光からの状態量計測,フィラメンテーション発光の擾乱評価,速度場計測の供試体である旋回噴射器の基礎特性の確認の3点を実施した. 状態量計測については,2022年度に実施した試験結果を解析し,これまで数密度の算出にとどまっていた計測法を密度場の算出を可能とするように修正した.また,密度及び密度勾配に基づき,不確かさの大きくなる条件を分析した. 擾乱評価については,2022年度に続き,シャドーグラフ法を利用しフィラメンテーション発光から発生する衝撃波を可視化し,その伝播速度を求めた.さらに,この伝播速度をもとに,フィラメンテーション発光領域のエネルギ投入量を推算し,数値流体解析により,擾乱の影響を評価した.その結果,現状保有する撮像系にて,フィラメンテーション発光の移動量に対して,擾乱の及ぼす影響を観測可能であることが分かった. 速度場計測については,2022年度に製作した旋回噴射器に対し,本研究とは別に開発した十字のフィラメンテーションを使用した2次元速度場計測を適用した.複数点に対して速度ベクトルを取得するとともに,それらの分布より,予定した旋回噴流が形成されていることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に実施した状態量計測については,一定の目途が立ち,密度場計測法の成果をまとめ海外誌に掲載された.この項目は,予定よりやや早く進んでいる. 擾乱評価については,予定通り可視化実験が進み,数値流体解析を利用した影響評価まで完了した.計画通りの進捗である. 速度場計測のための準備も概ね順調に進んでおり,供試体についての評価は完了した.撮像系や多点フィラメントを発生する光学系についても,機材の準備が整った.ただし,この2項目については,試行錯誤の必要な研究要素がまだ多いため,概ね順調に進んでいると評価した.
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今後の研究の推進方策 |
3年目の2024年度については,状態量計測は,より詳細な波長選定とデータ生産性の高い手法の確立を着実に進める.擾乱評価については,2023年度に推算した結果を,実験により検証することで一定の成果を得る.速度場計測については,特に多点フィラメントを発生させる手法を確立することと,ステレオ撮像系により,多点フィラメントの画像を取得することに注力する.
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