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バイオミネラル多孔質体内での分子挙動解析とミクロ-マクロ物性間の相関関係の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K22692
補助金の研究課題番号 22H01421 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分19020:熱工学関連
研究機関早稲田大学

研究代表者

松田 佑  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20402513)

研究分担者 江上 泰広  愛知工業大学, 工学部, 教授 (80292283)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
キーワード単一分子計測 / 多孔質材料 / 拡散係数 / 物質輸送
研究開始時の研究の概要

微生物が形成するバイオミネラル多孔質は,人工的に作製される多孔質材料に比べ特異な細孔構造を有しており,熱流体デバイスへの応用が期待される.この基盤構築に向け,最も基本的特性である細孔内での拡散・吸着現象に着目して研究を実施する.多孔質材料内での分子個々の拡散・吸着現象の単一分子計測法による直接計測・解析を通じて,機器搭載の観点から重要となるミクロスケール構造を決定する方法の構築を目指す.

研究実績の概要

本研究では,バイオミネラル多孔質内での分子の拡散・吸着現象を単一分子計測法(Single-Molecule Tracking; SMT)によって直接計測・解析することを目指した研究を推進している.本年度においては,まず計測対象とするバイオミネラル材料の選定を行った.特にバイオミネラル材料に関して,構造について特に電子顕微鏡画像も含め形状や孔径に関する検討を詳細に行い,今後主に実験において検討する材料を2種類選定した.あわせて,バイオミネラル材料の計測を行うためには自家蛍光を抑制する必要がある.そこでSMT計測の前に洗浄処理が必要となるため,適切な洗浄法を選定した.SMT計測に適したトレーサー分子の選定も実施した.微細な孔に侵入可能な低分子量の蛍光分子の選定,さらには微細孔には侵入できないものの,長時間のSMT追跡が可能な蛍光標識されたナノ粒子の選定を実施した.これらの選定したトレーサーに関しては,蛍光波長や寿命の把握とゼータ電位の測定を行いトレーサーの物理化学特性を詳細に把握した.特にゼータ電位の異なるトレーサーを用いることで吸着特性に大きな変化が起こると期待される.またSMT法に用いる実験装置の改善を検討した.特により高速での画像計測を実現するための装置の設計を進めた.以上に加えてバイオミネラル材料の拡散・吸着現象をSMT計測するための実験条件の洗い出しと検討を実施した.さらにSMT計測を実施し,バイオミネラル材料内でのSMT計測が可能であることを実証した.特に拡散している分子と吸着している分子の差異を明確に計測することに成功し,次年度以降の計測において有効な知見を得ることができた.またSMT計測データの解析に関しても,これまでに開発してきた手法が有効であることを確認することができた.次年度は引き続きSMTデータの取得を進め,データ分析を進める.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は上述の通り,当初予定していた実験装置の改善と,バイオミネラル材料の選定,SMT計測のためのトレーサー分子・ナノ粒子の選定を行った.また実際にバイオミネラル材料内でのSMT計測が可能であることが実証でき,順調に予定通り研究を推進することができている.

今後の研究の推進方策

本年に引き続きSMT計測によりバイオミネラル多孔質内での分子挙動の詳細な計測と解析を実施する.計測システムの改良は昨年度において完了しており,来年度は引き続きデータ取得を中心に実験を行い詳細な解析を実施する上で十分なデータ量の確保を目指す.具体的な計測・解析内容は本年度同様に下記の通りとなる.
(a) 分子の運動モードの分類と割合と空間統計量の取得:分子運動を拡散・吸着などの各運動モードに分類する.拡散運動では,拘束を受けないブラウン運動を行っているか,拘束を受ける場合はどの程度の拘束を受けているかなどさらに細かい分類を行う.また各運動の多孔質体内での位置依存関係の空間統計,すなわち空間的相関関係の調査を行う.
(b) 吸着している分子の詳細な調査:吸着状態にある分子の割合を調査する.また,吸着している分子の多孔質体内での位置の同定と吸着から脱離までの時間を調査する.
(c) 各細孔内への分子の流出入のダイナミクスと確率:分子と同程度のオーダーのサイズの細孔への分子の侵入の可否を調査する.従来のモデルでは幾何学的な分子半径で議論されているが分子が運動する際には周りの流体を動かすため,これを考慮した流体力学的半径の観点から議論する必要性があると考えられる.そこで実際の分子挙動を計測し,侵入可能な孔サイズと分子サイズの相関関係や進入時の運動モードの調査を行う.
(d) (a)~(c)の各項目の温度依存性:吸着状態などは温度に大きく依存する.温度変化のある場において,上記項目がどのように温度依存性を示すか調査する.

報告書

(1件)
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Visualization study of nano particle behavior within pores2022

    • 著者名/発表者名
      Yusaku Abe, Yu Matsuda
    • 学会等名
      7th Thermal and Fluids Engineering Conference
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 単一粒子計測法によるバイオミネラル材料内での微粒子の拡散挙動の解析2022

    • 著者名/発表者名
      冨岡直毅, 安倍悠朔, 松田佑
    • 学会等名
      第50回可視化情報シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Investigation of particle motion in porous media2022

    • 著者名/発表者名
      Yusaku Abe, Yu Matsuda
    • 学会等名
      The 13th Pacific Symposium on Flow Visualization and Image Processing (PSFVIP13)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 単一粒子計測法を用いた 細孔内における粒子挙動の研究2022

    • 著者名/発表者名
      安倍悠朔, 松田佑
    • 学会等名
      日本機械学会2022年度年次大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 単一粒子計測法によるバイオミネラル材料内での微粒子の運動の研究2022

    • 著者名/発表者名
      冨岡直毅, 安倍悠朔, 松田佑
    • 学会等名
      日本機械学会2022年度年次大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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