研究課題/領域番号 |
23K22695
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補助金の研究課題番号 |
22H01424 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藪野 浩司 筑波大学, システム情報系, 教授 (60241791)
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研究分担者 |
山本 泰之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (00398637)
NGUYEN・VAN TRIET 筑波大学, システム情報系, 助教 (60773059)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 質量計測 / 自励発振 / マイクロマシーン / 密度計測 / 高感度計測 / レゾネーター / モード局在化 / 弱連成 / マイクロカンチレバー |
研究開始時の研究の概要 |
細胞は質量、硬さ、さらには粘性など物理的な指標からも特徴づけられることが、近年になって明らかになってきた。中でも質量変化は病気との因果関係が極めて大きく、細胞レベルの微小質量に関する高精度な計測の実現が望まれている。しかしながら、微小質量計測は従来機器(例えば体重計)を単に小型化するだけでは実現できず、全く新しい計測原理を創出する必要がある。そこで本研究では振動を利用した、これまでにない新しい測定原理を提案し、それをマイクロマシーニング技術で実用化することを目指して、研究を遂行している。
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研究実績の概要 |
本年度は、流路付きマイクロカンチレバーの製作に関して、シリコンを使った従来法とは異なる、より簡便な方法を考えプロトタイプを実際に製作した(主として研究分担者山本による)。この手法は流路付きカンチレバーを製作するための手法として、広く普及する可能性がある。流路にエタノールおよび水を流し、密度の測定に関する予備実験を行った。すなわち、2つの液体を満たした場合それぞれに関して、強制加振による周波数応答曲線を実験から求めた。そしてそのピークのずれ(流路付きマイクロカンチレバーの固有周波数のずれ)がカンチレバーの固有周波数に対して、数%生じることを確かめた。この結果、製作した流路付きマイクロカンチレバーが目的通りに作られていることが実験的に確認された(主として研究代表者藪野による)。その一方で、空気中での周波数応答曲線はQ値が十分高くないため、固有振動数シフトの計測精度は、あまり高くないことがわかった。この状況を克服するため、次年度のテーマとして、強制振動に代わりフィードバックを用いた自励振動による方法を考え出し、それに向けて、流路付きマイクロカンチレバーを発振させるためのソフトウエア開発を行った。本研究では特に高周波でフィードバックを行うため、FPGAによりプログラムを作成した。さらに、バーチャル連成を行うため、サンプリングタイムが長くても、高精度な微分方程式演算が可能な手法を分担者(グエン)が見出し、それを実装する準備が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
デザインと製作に時間を要したが、所定の仕様を満たす流路付きカンチレバーが完成した。その他、ソフトウエア開発は順調に進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
本年度完成した流路付きマイクロカンチレバーを非線形フィードバックにより自励発振させて、高感度に周波数シフトを計測数方法を開発する。さらに、バーチャルレゾネーターと流路付きマイクロカンチレバーとを連成させることにより新たな計測系を開発する。この場合、固有モードシフトの計測が密度計測の感度を左右するとかんがえられるので、モードシフトの計測技術をさらに開発する計画である。
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