研究課題/領域番号 |
23K22715
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補助金の研究課題番号 |
22H01444 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 麗澤大学 (2023-2024) 名古屋大学 (2022) |
研究代表者 |
大岡 昌博 麗澤大学, 工学部, 教授 (50233044)
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研究分担者 |
小村 啓 九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (00881096)
下田 真吾 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (20415186)
鈴木 泰博 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (50292983)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | 触覚情報 / 記録・再生 / 触譜 / 感情制御 / 爪色センサ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、触覚データの記録・再生により巧みな人の技をロボットに移植するとともに、記録に触譜を用いてロボットの人への心地よい関わりを実現する。すなわち、1)触覚の時系列データに基づき熟達者の力加減を触譜により記録再生する。2)熟達者の触覚情報収集のために爪色三軸触覚センサと指型三軸触覚センサを開発してデータ収集・再生法を確立する。3)環境に適応するよう制御特性を変化するTacit Learning(TL)と触譜を組み合わせ、心地よく感じられるようにするTL-触譜連携制御法を開発する。4)心理効果は和音とメロディで操り得るとして、快・不快の制御に必要な触覚条件と心理状態の関係を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度では、各検討項目の研究計画を進めるための基礎を確立する。このため、システム全体のハードウェアとソフトウェアの完成を第一の目標として研究を進める。各研究項目ごとの実績については以下にまとめる。 1)触覚記録・再生 触覚記録・再生に適用するために,爪色触覚センサのサイズの小型化のための設計製作を進めた.その結果,センサヘッド分離型のセンサ構造を開発した.触覚データのリアルタイムに収集可能か検討したところ,計測精度は爪への装着状態と深く関連していることがわかった。触譜の自動生成の課題に対しては,実施の準備を進めた。 2)触覚センシング 再生側にロボットに装着する三軸触覚センサについては、昨年度問題になった試験中に光が漏れることや皮膚ゴムのアクリルコアへの吸着現象等不具合について構造を変更することによってほぼ解消されたことを確認した。さらに、触覚センサをロボットに搭載してせん断力の大きさに対応して把握力を調整ことが可能であることを確認した. 3)アクチュエーション 環境の状態変化に対応して自動学習が可能となるように、Tacit Learning(TL)を出力側のロボットシステムに導入することを検討する。実機に搭載する前の段階として、MATLABによるシミュレーションを実施してその効果を検証する。本研究では、把握と解放動作を中心に考えているため、まずは一軸のシステムから検証を進めた. 4)触覚心理・理論化 触譜の進行によって感情がどのように変化するのか、まずは単純な指圧のような一本指の動作によって感情が変化する様子を観察して、気持ちよさに結び付く触譜のパターンを探る。その経験に基づき、すでに効果があるとされている触譜を分析して、得られた知見の妥当性を検証する。また、本年度どのような心理物理実験や脳機能計測が有効であるか、実験の方法論についても検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要で述べたように,各検討項目の研究計画について当初の計画に沿っておおむね進めることができた.また,関連して内外に研究発表を進めることができた.また,2回にわたって,研究分担者との報告会を実施した.したがって,「(2)おおむね順調に進展している」と自己評価した.各項目ごとに,進捗状況をまとめる. 1)触覚記録・再生 センサヘッド分離型のセンサ構造を開発したり,触覚データのリアルタイムに収集可能か検討したりするなど,爪色センサに関して目覚ましい進捗があった.関連する成果は,国内学会3件,国際学会1件の口頭発表として内外に発信できた。 2)触覚センシング ロボットに装着する三軸触覚センサの開発についても当初の計画通りについて順調に進めることができた.さらに,触覚センサを実機搭載した実験も実施できた.関連する成果については1件の国内会議で発表した. 3)アクチュエーション 主にシミュレーションについて研究することができた.Tacit Learningに関して推進した成果については1件の国内会議で発表した. 4)触覚心理・理論化 触譜と感情変化についての調査を進めることができた.その成果については,1件の解説記事,および1件の著書において発表することができた.
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今後の研究の推進方策 |
前年度発見したシステム全体のハードウェアとソフトウェアに関する問題点を解決することを第一の目標として研究を進める.各研究項目ごとの推進方策について以下にまとめる. 1)触覚記録・再生 操作者の触覚データと印加した三軸力の間に乖離があるケースがあることがこれまでに判明している.そこで今後は,この誤差の発生原因を調査して対策を講じる.また,今後も度に引き続いてセンサの小型化,リアルタイム性の検証,触譜の自動生成の課題に取り組む.以上を実施するため,爪への装着方法や学習方法を全体を見直して改良方法を探る. 2)触覚センシング これまでに,触覚センサの単体の試験中に光が漏れることや皮膚ゴムのアクリルコアへの吸着現象等不具合についてはセンサ構造を改良することによってほぼ解決した.また,触覚センサをロボットに搭載した実験を実施して,一通りの動作について確認した.今後は.触覚センサの改良試作を継続するとともに,位置制御ベースの力制御を確立して,触覚センサ搭載ロボットハンドの把握力制御の実現する.その上で,鉛直方向の荷重変化に伴って把握力の調整が可能であることを実験で実証する. 3)アクチュエーション 環境の状態変化に対応して自動学習が可能となるように,Tacit Learning(TL)をロボットシステムに導入することを検討する.実機に搭載する前の段階として,今後も引き続きMATLABによるシミュレーションを実施してその効果を検証する.その結果に基づき項目2)で開発したロボットに実装して,実機による実験の実施を目指す. 4)触覚心理・理論化 今後は,1)で開発した爪色センサを用いて,専門化のマッサージにおける触覚情報を収集して触譜に翻訳する試験を実施するとともに,錯触現象を本研究に活用する試みも継続する.
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