研究課題/領域番号 |
23K22719
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補助金の研究課題番号 |
22H01448 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原田 研介 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (50294533)
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研究分担者 |
金子 真 佐賀大学, 理工学部, 客員研究員 (70224607)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | アクティブセンシング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,①アクティブストロボイメージャを用いて空気噴流の周波数に対して数Hzずらしたストロボ光を対象物に当てることで表面波を肉眼で視て内部機械インピーダンスを間接的に可視化するとともに表面波を数値データ化すること,②印加力と表面波の変位を時間関数として実験的に取得し,入出力関係から対象物に対して逆問題を解いてその内部機械インピーダンスを同定し数値化すること,③同定された機械インピーダンスの下で空気噴流印加力の実験条件を変えて順問題を解き,インピーダンスモデルの妥当性を評価し最終的に対象物の最適機械インピーダンスモデルを導出する.
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研究実績の概要 |
生体,医療,美容整形では,硬さ,柔らかさ,粘性といった機械インピーダンスが診断を行う上で重要な評価指標になる.特に,当該年度は機械インピーダンスを与えて表面から非接触アクティブストロボイメージャと等価な力印加を与えて表面波パターンを出力するシミュレータを開発し,順問題,逆問題を解いて,実験結果と同一条件に入力を与えて表面波の振る舞いの一致度を評価しながら,最適機械インピーダンスモデルの構築を行った.
アクチュエータとストロボ発光を搭載したアクティブストロボイメージャ(ASI)は、人間の目では追従できない高周波振動する対象物を可視化する便利なツールとして知られている。本年度は,力センサと視覚センサの両方を実装することで、力と変位の間の関係を計測し,また,表面の剛性モデルの定式化を行った.さらに,この定式化に基づいて,バネ定数から力と変位を導出する順問題と,力と変位からバネ定数を求める逆問題を定式化し,それぞれの検証を行った.その結果,共に高精度に行うことが可能であることが確認された.
さらに,距離計測と噴流の位置を同軸にして行う手法を開発した.これを使わないと,距離計測を少し斜めから行う必要があり,正確な距離計測が困難であったのに対して,本システムを使うことでより正確な距離計測を行うことが可能になった.これに基づいて,複数の硬さを持つ表面に対して,剛性の計測を行った結果,正確な計測が行えることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ計画通りに進捗している.
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今後の研究の推進方策 |
非接触アクティブセンシングの原理に基づいて非接触周期的空気噴流を生体や環境に当てると,対象物の機械インピーダンスを反映した表面波が発生する.周期的空気噴流が環境に印加する力と対象物の表面形状のうち印加力は校正しておくことができ,表面波の形状はUSBカメラやレーザ変位計で時間の関数として計測可能である.生体や環境の内部機械インピーダンスパラメータは未知であるが,機械インピーダンスユニットを用いて内部モデルを表現すれば,入出力関係から逆問題を解くことにより,内部機械インピーダンスを同定することが出来る.逆問題が解ければ,内部機械インピーダンスが既知の状態で印加力を変えて順問題を解けば表面波の動きを得ることができ,実験結果と合わない場合には内部機械インピーダンスのモデル自体を変えて実験とシミュレータ上のモデルの振る舞いがよく一致する最適インピーダンスモデルが構築できる.
今後は,このインピーダンスモデルの改良を行う.さらに,生鮮食料品,生体・医療分野それぞれに対して,最終的に表面波と内部機械インピーダンスの数値データの相関をとり,数値データの妥当性を確認する.
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