研究課題/領域番号 |
23K22724
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補助金の研究課題番号 |
22H01453 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐久間 臣耶 九州大学, 工学研究院, 准教授 (40724464)
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研究分担者 |
菅野 茂夫 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (60726313)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | MEMS / マイクロフルイディクス / 機械特性 / ソーティング / プロトプラスト |
研究開始時の研究の概要 |
プロトプラスト再生の機械指標の時系列データの取得は、植物細胞が二酸化炭素を吸収して細胞壁に変換する反応について、単一細胞レベルでの新しい原理的理解を提供する。その理解に基づき、植物細胞培養の好適条件を決定すれば、カーボンニュートラル社会へ向けた二酸化炭素の資源化が加速され、世界規模での社会貢献が期待できる。そこで本研究では、微細加工技術と超高速流体制御技術を駆使することで、プロトプラストの機械指標をハイスループットに計測・解析するための、機械指標活性型細胞ソーティングの学理を創成し、マルチモーダル解析を通して、プロトプラスト再生の定量化を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、プロトプラスト再生における機械指標の時系列データの取得は、植物細胞が大気中の二酸化炭素を吸収して細胞壁に変換する反応について、単一細胞レベルでの新しい原理的理解を提供する。その理解に基づき、植物細胞培養の好適条件を決定すれば、カーボンニュートラル社会へ向けた二酸化炭素の資源化が加速され、世界規模での社会貢献が期待できる。そこで本研究では、プロトプラストを対象とした機械指標活性型細胞ソーティングを提案し、プロトプラスト再生理解の学理の創成を目的とする。本研究では、下記の内容について、それぞれ当初の計画に沿って研究を遂行した。 (I) 細胞ローディング技術:ハイスループットな機械指標計測を目的として、細胞を等間隔に計測部へと搬送するための細胞ローディング技術の確立を行う。特に、局所的に高速な流体を制御することで、粒子間隔を制御することで、細胞ローディングを達成する。 (II) ハイスループット機械指標計測技術:ロボット統合型マイクロ流体チップを適用することで、経時変化するプロトプラストの機械指標計測を目指す。得られた非線形な応力―ひずみ線図等を用いることで、機械指標を計測する。これにより、経時的に変化するプロトプラストに対しても弾性・粘性といった物理量を機械指標として取得することが可能である。 (III) オンチップ細胞マルチソーティング技術:提案する細胞ソーティング技術では、局所的に打ち出された少量の高速な流体が、流路壁との物理的な相互作用により渦を生成し、この渦が周りの流体を巻き込みながら成長することで圧力の壁として流路を切り替える。サイズの大きな、プロトプラスト~カルスを対象として設計論の確立を目指す。 (IV) プロトプラスト再生の数理解析:オンチップ機械指標活性型細胞ソーティングシステムを用いて、プロトプラスト再生の定量的理解のための数理的理解を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、以下の(I)~(III)の基盤的技術課題に取り組み、オンチップ機械指標活性型細胞ソーティングシステムの構築することで、(IV) プロトプラスト再生の数理解析を目指して研究を遂行した。 (I) 細胞ローディング技術:細胞を等間隔に計測部へと搬送するための細胞ローディング技術の確立するために、ガラス-シリコン系の材料で構成したマイクロ流体チップを用いて基礎的な計測・評価を実施した。 (II) ハイスループット機械指標計測技術:ロボット統合型マイクロ流体チップを適用することで、経時変化するプロトプラストの機械指標計測を目指し、ガラス-シリコン系の材料で構成したロボット統合型マイクロ流体チップの設計および評価を実施した。 (III) オンチップ細胞マルチソーティング技術:提案する細胞ソーティング技術では、局所的に打ち出された少量の高速な流体が、流路壁との物理的な相互作用によりオンデマンドに渦を生成する。本年度は、この輸送渦のオンデマンド生成に関して、解析・基礎実験に基づき、マイクロ流体チップの設計を行った。 (IV) プロトプラスト再生の数理解析:本年度は、(I)~(III)の技術統合可能な統合プラットフォームの構築を行った。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、当初計画に沿っておおむね順調に研究を遂行することが出来たため、次年度も引き続き当初計画に沿って、下記の通り研究を遂行する。なお、代表・佐久間が(I)~(III)の基盤的技術課題に取り組み、分担・菅野との共同により、(IV)オンチップ機械指標活性型細胞ソーティングシステムの構築することで、プロトプラスト再生の数理解析を実施することを予定している。 (I)細胞ローディング技術:前年度に引き続き、ハイスループットな機械指標計測を目的として、細胞を等間隔に計測部へと搬送するための細胞ローディング技術の確立を行う。特に解析や実験との比較を行うことで、流体制御における設計論を構築する。 (II)ハイスループット機械指標計測技術:前年度に引き続き、ロボット統合型マイクロ流体チップを適用することで、経時変化するプロトプラストの機械指標計測を行う。得られた非線形な応力―ひずみ線図等を用いることで、機械指標を計測する。 (III)オンチップ細胞マルチソーティング技術:前年度に引き続き、局所的に打ち出された少量の高速な流体が、流路壁との物理的な相互作用により渦を生成し、この渦が周りの流体を巻き込みながら成長することで圧力の壁として流路を切り替えることを利用した、細胞ソーティング技術の基本原理検証を行い輸送渦のオンデマンド生成と時空間制御の設計論を構築する。 (IV)プロトプラスト再生の数理解析:前年度に引き続き、構築したオンチップ機械指標活性型細胞ソーティングシステムを用いて、プロトプラスト再生の定量的理解のための数理的理解を目指す。特に、プロトプラストの培養条件等の好適化を行う。
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